フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

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名もなき毒 宮部みゆき著

2009年05月31日 07時56分13秒 | 書評 小説系

「人が住まう限り、そこには毒が入り込む。
なぜなら、われわれ人間が毒なのだから。
・・・その毒の、名前は何だ。
私は、我々の内にある毒の名前を知りたい。
誰か私に教えてほしい。
われわれが内包する毒の名前は何というのだ。」


人間の持つ名もなき毒。

今週ぼく自身の職場での最近の一連の騒動が
「僻み」「妬み」「嫉妬」「猜疑心」「誤解」・・・
によって生じていただけに
その「名もなき毒」について深く考えさせられました。

そんな動機で、人はとんでもないことをしでかす。
そしてその人の持つその毒によって
周囲の人間を困惑と混乱の極致へと
巻き込み傷つけてしまう。
大切なものを失ってしまう。

『名もなき毒』を読みながら
現実的にも並行して『毒』に振り回されていたので
切実感や現実感がありました。


本書自体は、途中冗長感はあるものの
ラストの数10ページは読ませるものが
ありました。この数10ページがあるから
本書は優れた作品になっています。

ラストがいいと作品全体の印象が
よくなりますね。
ミステリー小説なので、
ネタバレになってしまうと
面白さが半減してしまいますが、
犯人自体には劇的な驚きはありませんでした。

ただ、宮部みゆきが人間の持つ業を『毒』と称して
小説に描こうとしているところが
魅力的な作品になっています。

それにしても宮部みゆきは文章がうまいですね。
文章の中に無駄な単語や表現がない。
推敲を重ねてるのか、
そもそも天性なものなのでしょうか?


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