フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

不格好経営 南場智子著

2013年07月01日 01時36分12秒 | 書評  ビジネス系
素直におもしろかったです。

モバイルゲームを全くやらない私でさえ
社名を知っているDeNAの創業者南場智子の
創業サクセスストーリー。
DeNAぐらい成功すると
かつての大失敗も笑い話になります。

今日の成功が順風満帆に来たわけではないというのは
ソニーやホンダ、松下などの創業史を読めば明らかです。

だから、ベンチャー企業に失敗はつきもの。
成功したから「不格好」と表現できるのだろうとは思います。

しかし、成功者には美化して格好つけたがる人が多いのに
これだけあけっぴろげに書くのは
やはりキャラクターのなせる業なのでしょう。

いや、本当は書いていないことが重要なのかもと
思わせるくだりはいくつかあります。

ネタバレになるかもしれないので、
詳細は明かせないのですが、
人材獲得に関しては
各方面と軋轢を生じさせた形跡がうかがえます。

また、資金繰りに関しても
かなり赤裸々に描かれてありますが
それでも紙面に書きつくせない著者の
くやしい想いが伝わってきます。


不格好経営―チームDeNAの挑戦
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


優秀なコンサルタントの3人が
立ち上げたDeNAは立ち上げ時に
最大の危機を迎えます。

その危機を乗り越えても、
赤字の時代が4年間続きます。

資金繰りに困って既存の大株主である
ソニーから1億円、NTVPから4億円
マッキンゼーの先輩から7000万円を調達します。

転機はオークション事業を諦め、
ショッピングモール事業に転化し
営業体制を強化して黒字化を目指したときに訪れます。
創業1999年3月以来2003年3月4年目にして初めて
DeNAは黒字化を達成します。

そこから、快進撃が続きます。
モバイルベースにシフトして
2004年「モバオク」
2006年「モバゲー」営業開始
2009年「怪盗ロワイヤル」サービス開始

このあたりはDeNAが急成長していく過程です。

ところが、東日本大震災が起こった2011年、
南場さんの夫が癌の告知を受けます。
進退の決断を迫られた南場さんは、
「社長業は120%全力投球でも足りないのだ。
これだけの難題を抱えた企業のトップが、
そして世界一を狙う目線の高い企業のトップが、
社業を最優先にできないというのはもっと罪深いこと
ではないだろうか。無責任とのそしりが怖いのなら、
いずれにしても免れない。そもそもそしりを恐れる
気持ち自体、自分本位だ。DeNAにとってどっちが
よいのか、それだけを軸に決めなければならない」
と決意して、社長を退任します。



そして、謝辞のなかで書かれてあるエピソード。
やりたいように好き方題しているように見える著者の
「人生とは思うようにいかないものだ」との感慨が
この本をベストセラーにさせる深みを持たせているように思います。

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