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Twitter社会論 津田大介著

2010年01月26日 00時02分23秒 | 書評 その他
新しい情報インフラとして注目を集める「Twitter」
ツイッターの使い方は「Twitter使いこなし術」を参照していただくとして、
本書はむしろTwitterの社会的意味、位置づけを論じた本です。

ブログやSNSなどインターネットにはさまざまなネットサービスが
存在しているにも関わらず、どうしてツイッターが注目を浴びるのか?

僕自身も、ツイッターを使う前までは「140文字のつぶやき」に
何の意味があるのか、とても懐疑的でした。

ところが、いざ試してみるとこれがなかなか魅力的なツールで
妙に好奇心をかきたてるのです。ただ、好奇心をかきたてても
使用するハードルが高いとなかなか利用しづらいものがあります。
僕なんか、いまだにSNSを利用したことがありません。
関心はあるのですが、ずぼらな僕はあの心理的にハードルの高いSNSの
サービスに嫌気がさしてくるのです。

ところが、ツイッターは比較的自由度が高い。
実は、140文字という字数制限がハードルの低さを
担保しているという逆説的なところがあるのです。

140文字程度なので、肩肘はって書込む必要がありません。
にもかかわらず、意外と伝えたいことの大半を伝えることができます。
複雑なことはブログで書けばいい。そうやって複合的に使えるのも
今のネット環境では可能になっています。

高い自由度のほかにツイッターの特徴は、
①リアルタイム性
②強い伝播力
③オープン性
④ゆるい空気感
⑤強い属人性
と津田氏によって指摘されています。

とくに情報流通の仕組みそのものに革命的影響を与えているのが
①リアルタイム性と②強い伝播力だとされています。
リアルタイム性を保障しているのが、タイムラインという仕組みと
リアルタイム検索です。
そして、強い伝播力を支えているのがリツリートという機能です。
フォローする人の『つぶやき』しか読むことができない
という制約があるにもかかわらず、
ツイッターに伝播力があるのは、
次々にその「つぶやき」をフォロワーが引用することで
瞬時に多くの人々へ情報が行きわたることになる仕組みのためです。
このリアルタイム性と伝播力は既存のメディアに対する
強烈なカウンター機能を発揮し、従来マスメディアに握られていた
『アジェンダセッティング』を個々人に取り戻すことさえ起こりうるのです。

※アジェンダセッティングとは、
マス-メディアで流通する様々な情報の範囲や頻度などによって、
受け手の中にその情報を議論するときの文脈・枠組みが習得されていくこと、
またその現象をいう、とされています。
本書では、複雑な社会問題に潜む
様々な論点・争点をオープンにして解きほぐし、
問題の解決を示し、その解決策への評価も含めて読者に提示することと
説明されています。

たとえば、現在の話題であれば、
「JAL再建問題」で法的整理がいいのか私的整理がいいのか
多量の報道されるなかで議論の枠組みが形成されてきましたし、
「小沢政治資金法違反問題」についても検察VS小沢の構造も
同じ現象です。

これらの議論も、単にマスメディアからの報道だけではなく
Twitterのなかで行われる多くの「つぶやき」の中から
議論の枠組みが形成されていったのではないでしょうか。


「個々人が今直面している現実をトリガーに、
さまざまな情報発信を行うことで
容赦なくその人の思考や価値観が明らかになっていく。
価値観の近い人とつぶやきを通じて思考を『共有』することで、
あいまいだった自分の思考にフレームができていく」

という指摘は重要です。

匿名性を強めれば強めるほど、あの「2ちゃんねる」と
どこが違うのかなあという疑念はありましたが、
リアルタイムな現実に即して、
属人性の強い思考や行動に触れることで
価値観を共有または反発するという点に
「2ちゃんねる」とはちがう特徴を感じました。




Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
津田 大介
洋泉社

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