Pastorale

サヴァトラ猫との今日いちにち

人間的な善と悪

2010年11月01日 | 読書、詩など

なにやらモノモノしいタイトルで申し訳ございません。
最近よく開く本の目次です。
よく売れている本です「超訳 ニーチェの言葉」

私は悩み事があっても人には相談しません。
夫にも・・・多分おちゃらけたりするし、
多分自分のことで手一杯で
私の悩みにまで心が回らないと思います。
実母には心配かけたくないから、ほぼ解決した時点で話します。

まぁせいぜい息子かおばあちゃん(夫の母)に軽く話す程度。
涙ながらには話せません、実母に話す少し前の段階くらいかな・・・

だからこういった類の本を開いて心の慰めにし、
その日その日を乗り越えます。
以前は「論語」もちろんマンガ版や入門編ですが。
最近は世の中の流行に沿って「ニーチェ」です。

  悪とは何か。人をはずかしめることだ。
  最も人間的なこととは何か。
  どんな人にも恥ずかしい思いをさせないことだ。
  そして、人が得る自由とは何か。
  どんな行為をしても、自分に恥じない状態になることだ。

最近職場でトラブルがありました。
私より10歳も若い子が、毎日上司にキツイ言葉を投げつけられ
不眠やら頭痛がひどくなり「もう辞めたい」

実は私も自分の上司からキツイ態度をとられ胃痛に・・・
幸いその上司は先月移動になり、
今は性格の良いイケメン上司と一緒

私は友人にグチって、
もっぱらニーチェのお言葉だけを頼りに毎日耐えました。
ただ、すぐ近くで仕事をする彼女が
毎日言われているのが聞こえてきたので
「あんなキツイ言い方されて大丈夫?
 私もけっこうしんどかったけど」
なんて声をかけたのがキッカケで、でも彼女も一人でガマンして
「もう無理。明日辞めますって言う」
という段階で初めてメールをもらった。

でもたくさんの人が間に入って(偉い方やら同僚やら)
ただ今話し合い中。
彼女の上司も「直接謝りたい」と言っているらしい。
まだ20代で、本人は仕事として当然のことをしただけで
相手がそこまで傷ついているとは思っていなかったのか・・・
(でも彼には何人かが退職に追い込まれているらしい)

そこでニーチェさまの更なるお言葉。
「相手に対して、あるいは遠くの誰かに対して
 同情を持ちうるためには、充分な想像力が必要となる。
 想像力もまた知性の立派な一部だ」

おっしゃる通り。上司の彼も頭の良さそうな優秀な人間だもの。
(でも私をいじめた上司には冒頭の言葉だけ投げつけたい)

ニーチェ先生は最後のオチまで用意して下さってます。
長くなりますが写しておきます。

「本を読んでも」

 本を読んだとしても、最悪の読者にだけはならないように。
 最悪の読者とは、略奪をくり返す兵士のような連中のことだ。
 つまり彼らは、何かめぼしいものはないかと泥棒の眼で
 本のあちらこちらを適当に読み散らし、
 やがて本の中から自分につごうのいいもの、
 今の自分に使えるようなもの、
 役に立つ道具になりそうなものだけを取り出して盗むのだ。
 そして、彼等が盗んだもののみ
 (彼等がなんとか理解できるものだけ)を
 あたかもその本の中身のすべてであるというように
 大声で言ってはばからない。そのせいで、
 その本を結局はまったく別物のようにしてしまうばかりか
 さらにはその本の全体と著者を汚してしまうのだ。

先生、恐れ入りました