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カリフォルニア在住28年目の筆者が、L.A.の最新ニュース、生活に役立つ情報、楽しいお話しなどをお伝えいたします。 

原点

2014年01月08日 | お仕事

1月は毎年、物件管理を任せて頂いているお客様へ前年の報告書を作る作業から始まります。
この為オフィスで机に向かう仕事が多いのですが、
今年は早々からアパート仲介サービスのご依頼を賜り、トーランス周辺を走り回っております。

今回のお客様は当地の大学へ留学に来られた学生さんで、我が家の末っ子と同年齢。
そしてご希望の条件は家賃900ドル前後のワンルーム。

日本では9万円も出せばそこそこきれいなお部屋が借りられるはずですし、
当地でも決して低い家賃ではないのですが部屋自体より治安や環境を考慮する必要があるLAでは、
安心して生活できるギリギリのラインとなります。
地域を限定せずに家賃だけで検索すればもっと安い部屋が沢山出てきますが、
日本から来たばかりの若い子が一人で住む事は、戦場カメラマンより過酷な生活になるかもしれませんので
最低でも武道の有段者か、ブランド物は持たずPCやTVも買わないシンプルな生活が必要です。

実際僕自身も安全上の理由で昼間でさえも一人では絶対に近づかないエリアもありますが、
今回もギリギリの場所で家賃$850という部屋があり、下見をしました。
ただ予想通り、部屋自体も周辺環境もお客様におススメできるものではありませんでしたが、
社会勉強も兼ねて、あえてこのお部屋へも候補の一つとしてご案内いたしました。

大家さん曰く、掃除は殆ど済んでいて直ぐにでも入居が可能との事でしたが、
軽く30年は使っていそうな耐久性抜群な調理台を始め、
季節の移り変わりを敏感に感じ取れそうな薄くてひび割れした窓ガラス。
周りの気配が手に取るように分かる防犯に優れた薄い壁。
想像力を掻き立てられる壁や天井のシミやペンキのむら。
室内で靴を履いている罪悪感を一切感じさせず、屋外と同じ感覚で過ごせるカーペット、
ただし、落とした食品を直ぐに拾えば大丈夫という”3秒ルール”は適応外。
一応、場所は日系人も多く住むガーデナ(一番北の方)ですし、
家賃を極力低く抑えたいのであればギリギリの線かもしれませんがお客様はもちろんパス。

最終的には大学のすぐ前にある物件でタイミング良く空くStudioタイプのお部屋があり、
家賃は$900台でしたが通学に車を使う必要も無いので即決で申し込みをしました。
ここならば日本のご両親も安心でしょうし、本人も余計な不安なしに勉学に集中できるはずですが、
アパートの家賃の高さには少々驚かれていました。
(まあ、あの物件が$850とは僕も久々に驚きましたが・・・)

そもそもコア不動産は僕自身の留学、転勤時の経験を基に、
彼のように日本から当地へ来られる邦人のお役に立ちたいという思いから
アパート仲介サービスを中心とした業務体系を造り、頑張ってきました。

ご依頼主から希望の地域、間取りや予算、引っ越しの時期を伺い該当しそうな物件を選び出し、
ビザの種類や滞在期間、クレジット歴などからアパート側と入居審査の確認をし、
実際にお会いした際には、ライフスタイルや趣味等もお聞きして最終的は物件を絞り込んでいきます。

最近はネットで多くの情報を得ることができますの下調べに活用しておりますが、
ご案内する物件へは現地へ赴き、管理人と会い、部屋を確認してからお客様へご紹介しております。

幸いにも近年はお客様に恵まれ取り扱う物件も多岐に渡り、
高級住宅街の物件にも詳しくなりましたが、準備の仕方はワンルームのアパートも同じです。
今回も色々と物件を調べ、事前に空室確認をしたり"For Rent"や"Vacancy"のサインを見て
飛び込みで下見に歩いている際に、これがコア不動産の原点だと再確認いたしました。

多分、弊社のお客様が通われている大学のMBAの教科書には載決して載らない
効率が良く物凄くて儲かる事のないビジネスモデルだとは思います。
でも潰れずに14年間、若い留学生を始め、
第一線で活躍の企業戦士から、最先端の研究をされているドクター、
将来の日本を作る若き官僚や超一流アスリートやアーティストまで、
本当に沢山の方々からのご依頼とご協力で商売を続けて来ることができましたが、
今後も初心を忘れずに精進いたします。

なお、誠に個人的な事で恐縮ですが、
昨日で昨年他界した父の喪が明けました。
今年の正月はきちんとしたご挨拶ができず大変失礼いたしましたことを
ここにお詫び申し上げます。

さあ、今日からが僕にとっての新年が始まります。
あらためまして、今年もどうぞ宜しくお願いいたします!



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