BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

日本スーパーバンタム級タイトルマッチ 下田昭文VS小林秀徳

2007-12-02 03:17:55 | Boxing
下田 ユナニマスディシジョンで勝利

左ストレートには相当の自信があるのだろう。
事実、打ち込むタイミングやキレは申し分ないレベルにあると言える。
ただ、左に頼りすぎの感も否めない。
やんちゃ坊主系の下田だが、こういうタイプはなべて不器用。
パンチの一つ一つは良いものを持っているが、それがつながらない。
あと、考えていることがぱっと見て分かりやす過ぎ。
ジャブの時はジャブだけ、ワン・ツーの時はワン・ツーだけ、右フックの時は右フックだけ、
カウンターのアッパー狙いの時はカウンターのアッパーだけ、というふうに
今しようと思っていることしか出来ないボクサーだ。
課題は左を見切られたときに対応できるかどうかだ。
パッキャオだってバレラには見切られた。
けどそこは想定の範囲内で、しっかり返しの右フックで対応していた。
課題はスタミナということだが、まだ克服できていないようだ。
5ラウンドまではフットワークもなめらかに使えて、
パンチの打ち出しもつま先でコントロールできていたが、7ラウンド以降はそれもなくなった。
棒立ちの姿勢での打ち合いほどスリリングなものはないが、相手によっては危険すぎる。
そういう意味では今日はラッキーだった。
あとはメンタル面か。
負けん気の強さは結構だが、ノーガードやよそ見(そのうち2回は時計見てた?)をできるほど
圧倒的な実力差があったわけではない。
ポイントは大差がついたが、これは有効打”だけ”を見た場合。
日本チャンピオンとしてはかなりの実力者だとは思うが、世界チャンピオンはまだまだ目指せない。
あと、相手の後頭部を押さえて抱え込む癖は早く矯正したほうがいいぞ。
亀田の次男みたいで非常に見苦しい。
最後にクリンチだが、これは徳山のクリンチを見習うとよい。
両手で相手の頭を押さえ込むのもちょっと見苦しい。
 
小林は・・・うーん、良いボクサーだとは思うけれど、何か一つ勝負できる武器が欲しい。
今回のタイトルマッチで明暗が分かれたのはそこだ。

何か下田の悪いところばっかりの感想になったけど、試合自体は面白かったし、
下田は課題が明確なだけに案外、粟生より早く世界戦線に出られるかもね。
粟生はちょっと自分のスタイルを見失っているような気がするから。
あとは放映時間が午前0時ぐらいになってくれれば・・・