BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界Sライト級王座決定戦

2011-09-19 22:25:15 | Boxing
エリック・モラレス VS パブロ・セサール・カノ

モラレス 10ラウンド終了TKO勝利

考察 ~モラレス~

昔とった杵柄という言葉が当てはまるのかどうか。
衰えと表現してしまえば話は早いが、
加齢も成長・発達のプロセスだと考えれば、
モラレスのボクシングの変化も進化と呼べるかもしれない。
(腹周りは……)

基本的な脚のスタンスはパッキャオとのtrilogyから変わらず、
むしろブレーキの性能が良くなったと言える。
たとえばパッキャオとのラバーマッチ。
一発当ててロープまで追い詰め、さらなる連打を浴びせんとしたところで、
死角から左のカウンターをもらいダウンした。
考えるより先に体が動いてしまう瞬間というのはあるもので、
それを制御できるのが良い場合もあるし、良くない場合もあるだろう。
モラレスに関して言えば、年齢的にそれが良い方向に作用している。

近年は高齢ボクサーの活躍が目覚しく、喜ぶべきところもあるが、
新星の登場がかつてほど頻繁でなくなり、その点では憂うべき事態でもある。
ここで想起すべきはジョージ・フォアマンの至言「老いは恥ではない」。
時代がこの言葉に追いついてきたということなのだろう。


考察 ~カノ~

late subということであまり期待していなかったが、
これは普通に良い選手。
亀田興毅の直近の相手をでかくして、スキルアップさせ、野望を抱かせれば、
そのままカノになりそうだ。
スピードもパワーも特段のものはないが、妙な当て勘があり、
左フックはカチディスほどではないが、
肘を上げ、あわよくば、または隙あらばの気配を漂わせている。
実戦的なダーティテクの持ち主だ。
要所で必ず一発を食うそのディフェンスは世界王者になるには足りないが、
今後世界戦線で便利屋的ポジションにつくことが予想されるスタイルで、
マニア的に覚えておいて損のなさそうな選手だと思える。

この試合と関係するが、最近ジョー小泉&浜田両氏と自分の採点が
噛み合わないことが多くなった気がする。
浜さんは明らかに頓珍漢な、というよりも好みがモロに出る採点を過去にもしてきたが、
ジョーと食い違うとなるとちょっと不安になる。
なぜならジョーと間接的にカズマレックから学んできたからだ。
この試合、序盤のラウンドはカノのものに見えたのは自分だけなのだろうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿