BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBO世界Sライト級タイトルマッチ

2011-11-17 19:54:45 | Boxing
王者 ティモシー・ブラッドリー VS 挑戦者 ホエル・カサマヨル

ブラッドリー 8ラウンドTKO勝利

考察 ~ブラッドリー~

パッキャオ戦に目が眩んでキャリアの大事な時期に数ヶ月を無為に(敢えてそう云う)
過ごしたボクサーがここにも一人。
ブラッドリーのボクシングの本質は踏み込みと手数。
この両者が渾然一体となって、はじめてバッティングが容認される。
近年のボクシングはよりskillfulに、よりtacticalになること目覚しく、
ホプキンスがライトに食らわせたように、
ポンサクレックが亀田興毅に食らわせたように、
バッティングもカウンターで放つ選手が現れる時代だ。
そのような時代の趨勢に抗い、かつてのKorean fighterよろしく、
嵐のような手数と前に出る勢いの持ち主が、
この大人しいボクシングとは何事か。
ジョー小泉ではないが、パンチのない選手でも強くは打てるだろう。
しかし、それでは効かせられないのだ。
古豪をTKOしたのは事実だが、Sライトの統一路線を放棄した罪はこの程度では消えない。


考察 ~カサマヨル~

ララ、リゴンドー、ガンボアとCuban Sensationが躍進する中、
世代の筆頭たる意識はないのだろうか?
それとも負けぐせが染み着いてしまったか。
コラレス、カチディスを破り、マルケスと激闘を繰り広げた頃は
当代随一のカウンターパンチャーだったものだ。
試合前からバッティング対策に「アメフトのヘッドギアを着用する」とかいう
キューバンジョークを飛ばしていたが、カウンターで迎撃宣言できなかったところに
この選手の限界を読み取るべきだったのだろう。
実際の試合でもバッティングへの警戒の色は見えず、相手にその意図もなく、
にもかかわらず左ストのカウンターで止めきれなかったのは
ごちゃごちゃ考える癖がついてしまったからだ。
つまり普通のカウンターパンチャーになってしまったということ。
この選手の現状を見ていると粟生の将来像に一抹の不安を感じざるを得ない。