BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

フェザー級12回戦

2011-11-03 21:21:34 | Boxing
ユリオルキス・ガンボア VS ダニエル・ポンセ・デ・レオン

ガンボア 8ラウンド負傷判定勝利

考察 ~ガンボア~

この選手の特長はスピードもさることながら
射程の長さ、ヒットポイントの遠さ、懐の深さにもあると思われる。
それらはスピードがあるからこそではないかとも感じるが、
体格、リーチを考えると最適なパンチのヒットポイントがこの遠さであることは驚異的だ。
特に右ストレートは踏み込みとの二段構えで、
この長さと比較できるパンチはポンサクレックの左ストレートぐらいしか思いつかない。
ただ、ポンサクレックは最適なボディメカニクスを駆使していると考えられるが、
ガンボアは生得的なathleticismでこれを行なっている(ように見える)。
肉体的にあまりにも恵まれていることは幸福なことだが、
その反面で精神的なムラがあるようにも感じられる。
どこかというとディフェンス。
自分の打ち終わり、相手の打ち終わりともにガードが低く、
見切っているという確信にも近い自信がそうさせるのだろうが、
カウンターの左フックを見るほどに、
ドネアのようなエキサイティングな見切りではなく、
恬淡とした見切りのカウンター。
まあ、報酬面か相手の実力か、とにかくモチベーションが今ひとつだったようだ。
アフロアメリカンにありがちなメンタルのひ弱さはないにしても、
この精神的なムラっ気はどこかで代償を支払わされる予感がする。
ライト級まで行くとか言ってるけど、軽く通用してしまいそうだ。
もちろんそのためには、本人のモチベーションの充実が不可欠なのだが。


考察 ~デ・レオン~

明らかに本来のファイトスタイルを封印、あるいは改造して臨んでいた。
そういう試合は大体為すすべなく敗れるもの。
ただし、改造したとしても本性が消せるはずも無く、
左フックの一撃に光明を見出したくて仕方がないようにも見えた。
スピードスターには相性悪しだが、打ち合いに応じる相手なら
Sバンタムだのフェザーだの関係なかろう。
ドネアのフェザー転級時の試運転候補となりうる内容だった。
長谷川の再起路線に立ちはだかって欲しいとは思わないけれど。