BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

NABF・NABO北米S・ウェルター級タイトルマッチ

2010-01-27 20:54:33 | Boxing
王者 ウィリー・リー VS 挑戦者 バネス・マルティロスヤン

マルティロスヤン 3ラウンドTKO勝利

考察 ~リー~

カルマジンに勝ったブネマに勝っただと?
セルヒオ・マルチネスはサウスポーであること以上に
スピード、カウンター、リズム、フットワークと技術でブネマを圧倒したが、
この選手はどうやって勝利したのだろう。
構え、スタンスからしてカウンターパンチャーだが、
相手のハンドスピードとアグレッシブさに呑まれ、
逆に自分がカウンターで沈んでしまった。
この手の選手はスリッピングあるいはスウェーで避け切ろうとする傾向が強く、
勝つことよりもきれいに戦うことを好んでいるように思う。
この試合だけ見れば、負け役に過ぎなかった。


考察 ~マルティロスヤン~

ミドルレンジを好むストレート系ヘッドハンターか。
ダルチニャンともアブラハムとも違うタイプで、
ボクサーは指導者、環境でいくらでも変わり得ることを証明している。
日本はなぜか激闘型が多い気がする。
この選手の今後は明白だ。
Sウェルターのランカーを吟味して倒していくこと。
アゴ、スタミナ、精神力、コンディショニング能力などあらゆる未知の課題が
その過程であきらかになっていくだろう。
S・マルチネスに挑戦するのは時期尚早。
やや似たタイプであるK・シントロン、
あるいはショートで勝負してくるA・アングロとの激突が待たれる。
その結果によりラインラントだけでなくアメリカでもアルメニアンファイターが
respectを得る日が近いかどうかを判断できるだろう。

WBA暫定世界バンタム級タイトルマッチ

2010-01-27 19:57:55 | Boxing
王者 ネオマール・セルメニョ VS 挑戦者 アレハンドロ・バルデス

セルメニョ 11ラウンドTKO勝利

考察 ~セルメニョ~

卓越したパワーもスピードも回転力もないが、
クリーンヒットを奪うことができる。
ふわふわ腰が軽く見えるが、本人にとってのリズム作りになっていて、
さらに上体の柔軟さも利して猫さながらのパンチの連打をまとめる。
これはミッキー・ロークの猫パンチということではない。
猫を飼ったことのある人ならばお分かりいただけるものと思う。
サウスポーを巧みに攻略したというよりも、
好戦的なボクサーのリズムを狂わせたことで攻め落とした。
フィニッシュ後の加撃はおそらく再三のバッティング同様intentionalで、
敵地でこれをやるということはプレッシャーなどどこ吹く風なのだろう。
観るたびに厭らしさを増すこの暫定王者はミハレス以上のハポネキラーになりうる。
大場、下田、亀田三男ではなすすべなくひねられるだろう。
それにしてもひざ蹴りとはレアなfoulを・・・

考察 ~バルデス~

効き手の左右にかかわらず身長、リーチで上回る場合、
ワン・ツー主体でペースを握るのが常道となる。
相手は独自のリズムで出入りとサイドステップを繰り返すので、
冷静にリードから組み立てるプランが求められるが、
執拗なバッティングに精神的にかき乱されたように見えた。
追い掛けることで強みを発揮する選手、弱くなる選手といるが、
バルデスは追いかけても強いタイプ。
ならば何故敗れた?
それは追いかけたのではなく、駆り立てられたから。
メキシカンらしからぬクールさで勝負することで本領を発揮できると思うが、
あらゆる面で後手に回っては、神経戦の達人には勝ち目なし。
今後はL・マルドナド的ポジションに落ち着くか。