BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

IBF世界フェザー級タイトルマッチ

2009-08-24 23:55:05 | Boxing
王者 クリストバル・クルス VS 挑戦者 ホルヘ・ソリス

クルス 判定勝利

考察 ~クルス~

大毅がかわいく見えるほどのwrestler fighterだ。
マリーシアと言えなくもないが、それでも観ていて気分が良いボクサーではない。
捨てパンチはおろかリードブローもほとんどなく、
頭を第三のパンチに活用しながら前進していくスタイルはしかし、
ストレート系を基本に組み立てられており、
強めの左フックを主体に組み立てる通常のメキシカンとは一味違った。
バッティング、ゴング後の加撃、自分のさりげないローブローと
相手のローブローへのオーバーアクションと、
ボクシングの負の部分をポジティブに見せる妙なボクサーだ。
粟生や榎はクルスとスパーしてくれば色々と勉強になるのでは?

考察 ~ソリス~

興毅がかわいく見えるほどのローブローの使い手だ。
パッキャオ戦ではバッティングからの左ストレートでKOされたが、
そこで力業も必要だと悟ったのか?
ある意味メキシカン対決だからこそ実現したfoul festだった。
外国人相手にこれやったら大問題だよ。
左を強く多彩に振るうのはオーソドックスな/のメキシカンのセオリーだが、
相手の喧嘩ボクシングに飲み込まれたか。
11ラウンドからの左ジャブと右アッパーを基調にしたアウトボクシングを
序盤から徹底できれば終盤にKOもしくは明確な判定を拾えただろう。
個人的には観たいと思わないがラバーマッチが組まれるのは時間の問題か。

WBA世界ライト級暫定王座決定戦

2009-08-24 23:39:51 | Boxing
1位 ウルバノ・アンティロン VS 3位 ミゲール・アコスタ

アコスタ 9ラウンドTKO勝利

考察 ~アコスタ~

左足を軸に右足を時計回りにピボットさせながら左フックを打つ時があったが、
いったいどうやって打っているのだ?
また足を止めて打つ左は常にスウェーないしダッキングに移行できる体勢を崩さない。
パンチは軽めだが、筋肉にバネがあり、効かせるパンチと引っかけるパンチを
自在に使い分けられる。
右は時に突き上げ、時に大外から振るったが、その際に左は下げっぱなし。
目の良さに自信があると同時に、これによって脇を閉めてパンチにシャープさを与えている。
最後に両手を高く掲げた場面でじっくり観察できたが、
上腕二頭筋と上腕三頭筋の均整がとれている。
あのアッパー、フックのキレ、そして回転はここから生まれていたのか。
ジョーの駄洒落は「ミゲールのアッパーがアゴをコスッタ」で決まりだと思ったが…

考察 ~アンティロン~

相手のタイプも自身のスタイルも異なるが、
構図としてはアルセvsミハレスによく似ていたと思う。
ガードを高く保ち、強引に潜り込んで打ち合いにもっていくというのは
武骨なメキシカンの伝統的スタイルで、マルガリート、ソトらに通じるが
アンティロンには前二者ほどのタフさも馬力もなかった。
問答無用の打ち合いに持ち込むにはアゴの強さと精神のスタミナが必要。
そしてパンチで相手を下がらせること。
プレッシャーをかけて追い回すのは相手によっては逆にコントロールされてしまう。
単発の左がたびたびアコスタの顔面を捉えてはいたが、
二の矢三の矢が続かなかった。
いつもなら際限なく打ち続けられただろうが、
elusiveな相手に中途半端な一発屋で終わってしまった。