王者 デンカオセーン・シンワンチャー VS 挑戦者 久高寛之
デンカオセーン スプリットディシジョンで防衛成功
考察 ~デンカオセーン~
硬質なパンチは健在だったが、坂田との再戦が鮮やか過ぎたのか、
久高が成長していたのか、あの有無を言わせぬ攻撃は鳴りを潜めていた。
下半身がついてこなかったのは、鍛錬不足か慢心か。
クリンチからでも強引に打ちにいった坂田Ⅱとは別人のようだった。
この日は相手がカウンターパンチャーなので救われたが、
好戦的なメキシカンにはすこぶる相性が悪そうな出来だった。
ウィラポンもそうだったが、アッパーを連続でぶち込まれそうな
スタイルで戦うのは、見ていて結構ひやひやする。
デンカオよ、君はもう世界王者なのだ。
アジア圏を中心に世界を視野に入れたファイトをしたいのだろう?
マイミー・ペンライ・スピリットはこれで終わりにしよう。
カリビアンにありがちな金遣いの粗さはアジア人にはないはずだし、
なにより寒い12月の日本であれだけ心も体も仕上げられたのだから、
地元でならもっと上げられるはずだ。
初防衛戦は確かに難しいものだが、ベルトの商品価値は落としてはならない。
それにはビジネスを健全に遂行し続けていくしかない。
考察 ~久高~
残念ながらスリップと裁定されてしまったが、
5ラウンドのあれはクリーンなフラッシュダウンだった。
スタイリッシュなボクシングは相変わらず絵になるが、
Roy Jones の mock はまだ3年早いかな。
ジャブ、カウンター、フットワークに長けており、
ボクシングIQも高い、要するにセンスも勘もある。
それゆえ、ちょっとしたトラブルや読み違いで軽いパニックに陥る。
逆にノったときには無類の強さを発揮するだろうが、
メンタルのコントロール方法が分かっていないようだ。
我々は坂田や川嶋のように泥臭く必死に戦うファイターをして、
勇敢、折れない心、精神面の強さなどをついつい称える傾向にあるが、
これは体力あるいは技術の限界にまで到達した選手のみに許される賛辞。
今回の久高の戦いに寄せるべきはそのような美辞麗句ではない。
この男に必要なのは格上相手の敗北でもアウェーの地での洗礼でもない。
そんなものはすでに経験済みだ。
久高よ、真似るならロイ・ジョーンズではなくセルヒオ・マルチネスにするんだ。
「ボクシングですか?まあ、趣味の延長っすかね」ぐらいのスタンスで取り組むのが
君には似合う(ような気がする)。
技術を支えるのはメンタルで、技術を構築するのもメンタル。
ハートの強さではなく、自身のイズムを手に入れてほしい。
PS.
”バンコクから愛を込めないで”のバンコク愚連隊様に感謝。
氏の現地録画なくしてこの観戦記は綴れませんでした。
デンカオセーン スプリットディシジョンで防衛成功
考察 ~デンカオセーン~
硬質なパンチは健在だったが、坂田との再戦が鮮やか過ぎたのか、
久高が成長していたのか、あの有無を言わせぬ攻撃は鳴りを潜めていた。
下半身がついてこなかったのは、鍛錬不足か慢心か。
クリンチからでも強引に打ちにいった坂田Ⅱとは別人のようだった。
この日は相手がカウンターパンチャーなので救われたが、
好戦的なメキシカンにはすこぶる相性が悪そうな出来だった。
ウィラポンもそうだったが、アッパーを連続でぶち込まれそうな
スタイルで戦うのは、見ていて結構ひやひやする。
デンカオよ、君はもう世界王者なのだ。
アジア圏を中心に世界を視野に入れたファイトをしたいのだろう?
マイミー・ペンライ・スピリットはこれで終わりにしよう。
カリビアンにありがちな金遣いの粗さはアジア人にはないはずだし、
なにより寒い12月の日本であれだけ心も体も仕上げられたのだから、
地元でならもっと上げられるはずだ。
初防衛戦は確かに難しいものだが、ベルトの商品価値は落としてはならない。
それにはビジネスを健全に遂行し続けていくしかない。
考察 ~久高~
残念ながらスリップと裁定されてしまったが、
5ラウンドのあれはクリーンなフラッシュダウンだった。
スタイリッシュなボクシングは相変わらず絵になるが、
Roy Jones の mock はまだ3年早いかな。
ジャブ、カウンター、フットワークに長けており、
ボクシングIQも高い、要するにセンスも勘もある。
それゆえ、ちょっとしたトラブルや読み違いで軽いパニックに陥る。
逆にノったときには無類の強さを発揮するだろうが、
メンタルのコントロール方法が分かっていないようだ。
我々は坂田や川嶋のように泥臭く必死に戦うファイターをして、
勇敢、折れない心、精神面の強さなどをついつい称える傾向にあるが、
これは体力あるいは技術の限界にまで到達した選手のみに許される賛辞。
今回の久高の戦いに寄せるべきはそのような美辞麗句ではない。
この男に必要なのは格上相手の敗北でもアウェーの地での洗礼でもない。
そんなものはすでに経験済みだ。
久高よ、真似るならロイ・ジョーンズではなくセルヒオ・マルチネスにするんだ。
「ボクシングですか?まあ、趣味の延長っすかね」ぐらいのスタンスで取り組むのが
君には似合う(ような気がする)。
技術を支えるのはメンタルで、技術を構築するのもメンタル。
ハートの強さではなく、自身のイズムを手に入れてほしい。
PS.
”バンコクから愛を込めないで”のバンコク愚連隊様に感謝。
氏の現地録画なくしてこの観戦記は綴れませんでした。