BOXING観戦日記

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WBA世界ライトヘビー級王座決定戦 ウーゴ・ガライVSユーリ・バラシアン

2008-09-22 23:35:52 | Boxing
ガライ ユナニマスディシジョンで王座獲得

筋骨たくましいボディにワイルドに振るわれるパンチ。
ストリートファイターとしてならば、このガライは相当なハードパンチャーだが、
こういうのはボクサーとしては実はイマイチなスタイル。
スタミナの消費が激しい割りに、見た目ほど相手にダメージを与えられないからだ。
実際、ビシビシ当たっているように見えても、ナックルの返りが甘い場面が多かった。
10ラウンドに左フックで効かされて以降は、左右ストの連打で突き放しにかかったが、
相手のファイトスタイルのおかげで何とか凌いだという感じ。
迫力はあっても実のない攻撃の半面で、ディフェンスは結構良かった。
ボディワークが良いということは下半身の土台はできているわけで、
迫力はそのままで、攻撃の威力と精度を高めていくのがトレーナーの使命。
でも、このスタイルで防衛できるのかね?
迫力だけの今のスタイルより、かつてのコスタヤ・チューのようなボクサーを
目指すべきだと思うのだが。
実際、ヘアースタイルには通じるものがあるんだし。

バランシアンの闘い方にもやや疑問。
サウスポーということはそれだけでメリット/デメリットの両方があるが、
この選手にはそのどちらも感じなかった。
時計回りでも別にいいとは思うが、それなら左フックよりも右フックでは?
実際、ガライのジャブは威力・精度ともそこそこレベルで、
ちょっとしたカウンターパンチャーならいくらでもパンチをかぶせられそうだった。
攻防分離はひとつのセオリーとして確立されたスタイルで、
固いガードに柔軟なボディワークは相手の集中力とスタミナを確実にロスさせたが、
自身も同時に消耗してしまっては意味がない。
10ラウンドに畳み掛ければ仕留められた可能性は高かったが、
肉体に染み付いたディフェンスマインドが相手の苦し紛れのストレート連打に
律儀にガードで応じてしまった。
相撃ちでいいんだってば。