BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

ライト級12回戦 ホエル・カサマヨルVSフアン・マヌエル・マルケス

2008-09-19 23:16:59 | Boxing
マルケス 11ラウンドTKO勝利

強打を連打できるのが一流メキシカンの特長であることは言わずもがなだが、
このマルケス兄もやはり一流メキシカンファイターだ。
リズムとカウンターで試合を支配してきたが、しかし、今回は相手の懐の深さに苦しんだ。
オフィシャルスコアカードがどうなっていたのかは分からないが、
WOWOW解説陣の採点は理にかなっていたと思う。
個人的に注目したのはマルケスの踏み込み。
踏み込んだ左足がカサマヨルの右足の外側、くるぶしあたりまで届けば、
そのラウンドはマルケスに、届かなかったラウンドはカサマヨルが取ったと思う。
猪突猛進あるのみのカチディスとは違い、中間距離で様々な駆け引きを
行っていたのが見て取れる試合で、こういう試合があるからボクシング観戦はやめられない。

敗れたカサマヨルだが、実に見事なパフォーマンスを見せた。
カウンターの名手であるということ自体がフェイントになり、
さらに徳山やJ・テイラーのようにリング上の対戦相手にしか見えない
フェイントも数多く繰り出していたことが分かる。
左アゴにそえた左の拳は常にカウンターを放つ雰囲気を放っており、
実際に命中したその左は、狙って放たれたものではなく、条件反射的に放たれたもの。
自らのパンチの間合いを熟知しており、呼び込む→迎え撃つ→間合いを取る、
という一連のsequenceを完全に確立している。
敗れたのは気迫の差か。