眞ちゃんち

クラリネット奏者 橋本眞介Blog

11年前(1996年)今日

2007年12月16日 | Weblog
11年前1996年の今日
北ドイツのMöllnという町の「AMADEUS」という居酒屋にいた。

2年間留学し奨学金も1年分で2年いたもんだから
帰国まであと2ヶ月というこの時期、寂しいクリスマスを迎えようとしてた。

同じクラスのマサノリとラースが「シンスケやってみないか?」
とくれたのがこの居酒屋でのバイト。
しかし店員さんではなく演奏する仕事。

マサノリとラースも決して裕福ではなさそうだったが
せっかく言ってくれたのだから快く引き受けた。

10月末から毎週土曜日の夜、2時間。
ドイツの民謡、日本の民謡、ポップス、ジャズ、アメリカのクリスマス曲…。
一晩で同じ曲を2回演奏するのは恥ずかしい、
2時間もつかなりの曲を用意したと思う。

居酒屋なので聴いてくれることはほとんどなかったけれど
日本の曲などは珍しいのか、場違いだったのか
シーンと聴き入ってくれることもあった。
あるおばあちゃんが「もう一回それ聴かせてよ」とリクエストがあったのが赤トンボ。
たどたどしいドイツ語で解説して演奏したのを思い出す。

7回シリーズの「AMADEUS」での最後のバイトが終了し
ここのマスターがちょいちょいと厨房へと手招きするもんだから行ってみたら
「随分よくやってくれた。ありがとう。ほんとはこんなに多くないんだけどヴァイナハツゲルト(クリスマス手当)だ、とっとけ。よいクリスマスを!」
プロレスラーのような胸板のマスターとハグして別れた。

帰り道、妻とホクホクしながら帰りました。