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クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇歴史的名盤CD選集

2016-12-13 07:28:31 | 歴史的名盤CD選集

 

【歴史的名盤CD選集】

 

~バリリ四重奏団の遺産―東京ライヴ1957~

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第4番 ハ短調 作品18-4(1957年12月16日)

         音楽評論家 山根銀二氏の解説(音声)

ハイドン(R.ホーフシュテッター作):弦楽四重奏曲 第17番 ヘ長調 作品3-5「セレナード」(1957年12月11日)

         音楽評論家 山根銀二氏の解説(音声)

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 ヘ長調 作品135(1957年12月11日)

         ワルター・バリリ氏の日本の音楽ファンへのメッセージ(音声)

弦楽四重奏:バリリ四重奏団
            
            ワルター・バリリ(第1ヴァイオリン)、オットー・シュトラッサー(第2ヴァイオリン)、
            ルドルフ・シュトレンク(ヴィオラ)、エマヌエル・ブラベッツ(チェロ)

録音:1957年12月16日、12月11日、ラジオ東京ホール(ライヴ録音)

番組プロデューサー:門馬直美

音源提供:TBSラジオ&コミュニケーションズヒストリカル

 バリリ四重奏団は、1945年に、ウィーン・フィルの若きコンサート・マスター、ワルター・バリリを第1ヴァイオリンに結成された。第2ヴァイオリンのオットー・シュトラッサーは、ウィーン・フィルの第2ヴァイオリンの首席、ヴィオラのルドルフ・シュトレンク、チェロのエマヌエル・ブラベッツもウィーン・フィルの各パートの首席奏者を務めていた。言わばウィーン・フィルのミニチュア版の弦楽四重奏団とでも言えようか。旋律の輪郭を明確に奏で、そのウィーン情緒をたっぷり含んだ演奏は、当時日本でも絶大な人気を誇っていた。日本に唯一来た時に公開録音された音源を基に、2011年に発売されたのがこのCDである。バリリ四重奏団は、1957年10月15日にウィーンを出発し、アメリカ、カナダ、各地で演奏会を開いた後、12月10日に羽田に到着。日本滞在は約10日ほどで、東京(産経ホール、3回)、名古屋(CBCホール)、大阪(朝日会館)、福岡(電気ホール)、横浜(神奈川県立音楽堂)で演奏会を開催し、この間、テレビ放映が1回、ラジオ放送が3回行われた。このCDは、1957年12月11日と16日のラジオ東京での公演をライヴ録音したもの。その時の番組プロデューサーが、後に音楽評論家として活躍する門馬直美、音楽解説(音声)が当時人気の音楽評論家の山根銀二。その後、バリリ四重奏団は解散し、個人の演奏活動からも引退したワルター・バリリであったが、たまたま1995年に講演と公開講座のため来日した。この時にTBSの放送録音のマスターテープを聴き、CD化を承諾、そして日本のファンのためにメッセージも録音したのである。そして、1957年12月11日放送時の音楽評論家の山根銀二の解説(音声)を加えて、誕生したのがCD「バリリ四重奏団の遺産―東京ライヴ1957」なのである。なお、ワルター・バリリは「ウィーン・フィルとともに~ワルター・バリリ回想録~」(ワルター・バリリ著/岡本和子訳/音楽之友社刊)を著したが、この中でバリリ四重奏団としてのただ一度の来日(1957年)の際の日本の聴衆の熱狂ぶりも記述している。(蔵 志津久)


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