【歴史的名盤CD選集】
~巨匠トスカニーニのシューマン:交響曲第3番「ライン」&序曲集~
シューマン:交響曲第3番「ライン」
:劇音楽「マンフレッド」序曲
ウェーバー:歌劇「オイリアンテ」序曲
:歌劇「魔弾の射手」序曲
:歌劇「オベロン」序曲
指揮:アルトゥーロ・トスカニーニ
管弦楽:NBC交響楽団
録音:1946年、1951年、1952年、1949年(シューマン:交響曲第3番「ライン」:ライヴ録音)
CD:BMG CLASSICS 09026-60292-2
アルトゥーロ・トスカニーニ(1867年―1957年)は、イタリア出身の大指揮者。このCDのシューマン:交響曲第3番「ライン」は、ライヴ録音なので音質は期待できないと思って聴いてみると意外にも豊富な音量に驚かされる。さらに、トスカニーニがここまでシューマンのロマン性を引き出す指揮者だったかにも驚かされる。ブルーノ・ワルターの「ライン」の指揮に一歩も引けを取らないどころかスケールの大きさに加え、トスカニーニ独特のメリハリの良さが際立っている。そしてなにより、このシンフォニーをあたかもオペラのように劇的に盛り上げる手腕には改めて脱帽させられる。次のシューマンの劇音楽「マンフレッド」序曲も豊富な音量で、迫力ある指揮ぶりが手に取るように再現される。トスカニーニが一気呵成に指揮する時の凄さは他に例えようがないほどで、NBC交響楽団の分厚い響きがそれを充分に支えている。次の3曲のウェーバーの歌劇3曲の序曲は、さらにこの傾向が加速されるかのような迫力満点の指揮ぶりだ。やはり、オペラの指揮ともなると、トスカニーニはイタリア人の血が騒ぐのか、鬼気迫るような指揮ぶりとなる。トスカニーニは、ミラノ・スカラ座音楽監督、メトロポリタン歌劇場指揮者 、ニューヨーク・フィル音楽監督、NBC交響楽団常任指揮者などを歴任した。
(蔵 志津久)