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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

細胞内タンパク質、リズムで増殖=京都大学

2007年06月26日 | 生理学
 細胞内で、2時間周期で増減して生体活動のリズムを作っているタンパク質を、京都大ウイルス研究所の影山龍一郎教授(分子生物学)らのグループが見つけた。細胞の増殖や分化にかかわる情報伝達に関わっており「情報がリズミックに伝わることが、増殖の効率化や調節につながっているのではないか」(影山教授)という。米国科学アカデミー紀要電子版で26日、発表した。

 生物には24時間周期の「概日時計」のほか、より短いリズムを刻む分子の存在が知られている。影山教授らはこれまでに、遺伝子の働きを調節するタンパク質Hes1とHes7が2時間周期で増減しており、Hes7は卵からの発生段階に背骨や胸骨などの元になる体節を作ることを見つけている。

 今回、マウスの繊維芽細胞の活動から、発現量を増減する遺伝子を網羅的に探した。細胞の増殖や分化で働くSocs3とSmad6の2分子も、2時間周期で増減していることが新たに分かった。Socs3が働く情報伝達経路はHes1と相互依存しながらリズムを刻んでおり、Hes1がリズムを刻めないと、細胞増殖が半分以下になることが分かった。

 リズムがあることで、細胞増殖がうまく行われているらしく、再生医学で研究が進む幹細胞の増殖を効率よく進める手法につながる可能性もあるという。影山教授は「細胞の増殖だけでなく、さまざまな生体活動が短周期のリズムで働いているのではないか」と話している。

[京都新聞 / 2007年06月26日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007062600060&genre=G1&area=K10

タンパク質2時間周期で増減 細胞増殖に重要な役割か(共同通信) - goo ニュース

アルツハイマー病の治療薬、緑内障の進行抑制=東京医科歯科大学

2007年06月26日 | 薬理
 日本人の緑内障の7割を占める「正常眼圧緑内障」の進行を、アルツハイマー病の治療薬で抑えることに、東京医科歯科大の研究グループが、動物実験で成功した。

 緑内障による失明の予防などにつながる研究成果で、22日の米医学誌電子版に掲載される。

 緑内障は、視神経が損傷し、視野が次第に狭くなる病気。日本人の失明の原因のトップで、国内の患者数は約400万人。眼球の圧力(眼圧)が高くなると発症するタイプと、正常眼圧で起こるタイプがある。

 同大の田中光一教授(分子神経科学)らは、マウスの網膜に、視神経に光の情報を伝えるアミノ酸の一種、グルタミン酸が異常に蓄積すると、視神経が損傷することに着目。余分なグルタミン酸を排除する機能をなくすと、マウスは、人間と同じ正常眼圧の緑内障を起こすことがわかった。

 このモデルマウスに、欧米で認可されているアルツハイマー病治療薬(メマンチン)を1日1回、1週間注射すると、何もしないマウスは網膜の視神経の細胞が20%失われたのに対し、注射したマウスは3%の損傷に抑えられた。

[読売新聞 / 2007年06月22日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070622i402.htm

アルツハイマー病の治療薬、緑内障の進行抑制…東京医歯大(読売新聞) - goo ニュース