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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

遺伝子壊した実験用メダカ 短期間、低コストで=京都大学

2007年02月13日 | 遺伝子組替マウス
 特定の遺伝子を壊した実験用のメダカをつくることに成功したと京都大の武田俊一教授、谷口善仁助手(放射線遺伝学)らが13日、発表した。

 同様の実験動物はマウスが一般的だが、谷口助手は「マウスは1年、1匹約350万円掛かるが、メダカは約4カ月ででき30万-100万円で済む。マウスで発病しにくいがんなどの研究に役立つ」と話している。

 谷口助手らは、メダカに突然変異を起こすように、特殊な薬の水溶液に雄のメダカ100匹を入れた。約80匹が生き残り、これと健康な雌との間で生まれた雄5760匹の精子を凍結保存した。

 メダカのゲノム(全遺伝情報)は解読されており、保存した精子のDNAを解析し、目的の遺伝子が壊れている精子を特定、これを健康な雌の卵子と人工授精した。生まれた世代同士を組み合わせて子どもをつくった。通常は1つの遺伝子を両親からそれぞれ受け継ぐが、この方法で両方の遺伝子が破壊されたメダカができた。

[北海道新聞 / 2007年02月13日]
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070213&j=0047&k=200702135541

放医研ニュース"放医研のGFPトランスジェニックメダカ"
http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/200310/hik3p.htm

低酸素状態での解糖系の仕組みを解明~慶応大学 先端生命科学研究所

2007年02月13日 | 循環器
 鶴岡市にある慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市、冨田勝所長)は13日、ヒト赤血球をモデルに細胞内の代謝反応を予測するコンピューターソフトウエアを独自に開発し、低酸素状態で赤血球の中に含まれるヘモグロビンが特殊な酵素と結び付き、必要なエネルギーを生み出す解糖系の仕組みを解明したと発表した。今後、赤血球の機能の研究が進めば、人工赤血球の開発にもつながる可能性があるという。

 赤血球はヘモグロビンを含有し、酸素の運搬役として機能する。冨田所長と曽我朋義教授、慶応大医学部の末松誠教授、同大大学院の木下綾子さんらの研究グループは、低酸素下での赤血球の働きを調べるため、細胞内の代謝反応を高速でシミュレーションするコンピューターソフトを開発。このソフトを用いて、細胞の機能維持や血流調整に必要なATP(アデノシン3リン酸)などの代謝物質の変化を予測した。だが、メタボローム解析で測定したところ、予測値と実測値は一致しなかった。

 そこで研究グループは、赤血球の膜に付着しているタンパク質のBAND3(バンドスリー)に着目。酸素が外れたヘモグロビンは、バンド3と結合することで、バンド3の中からPFK(フォスフォーフルクトキナーゼ)など3種類の酵素が分離し、解糖系を機能させる仕組みをプログラムに組み込んで予測値を算出。さらに、メタボローム解析したところ、予測値と実測値が一致する結果を得た。

[山形新聞 / 2007年02月13日]

http://yamagata-np.jp/newhp/kiji/200702/13/news20070213_0195.html

慶応義塾大学 プレスリリース
 計算機科学を利用した生命現象の予測と実証
 -慶應義塾大学「細胞生体機能シミュレーションプロジェクト」の成果
http://www.keio.ac.jp/pressrelease/070213.pdf