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テルモの補助人工心臓、欧州で販売承認 国内に先駆け

2007年02月28日 | 循環器
 テルモ(東京都渋谷区)グループの開発した補助人工心臓「デュラハート」が26日付で、欧州での販売承認を得たことが分かった。製造と臨床試験を担当してきた米子会社テルモハート(ミシガン州)が27日、明らかにした。国産技術だが、承認に時間がかかる日本に先駆け、海外で使われるようになる。

 患者の腹腔(ふくくう)内に埋め込むデュラハートの本体は、赤松映明・京都大名誉教授らが考案した「磁気浮上型遠心ポンプ」で、磁石の間に浮かせた羽根車を回して血液を押し出す。体外の電池で動き、弱った心臓の働きを補う。軸受けも人工弁もないため、血液が固まりにくく、耐久性に優れており、心臓移植までの「つなぎ」ではない、長期使用できる新しい人工心臓としても期待されている。

 テルモは実用化を急ぐため、承認の遅い日本を避け、欧州からのスタートを選んだ。04年1月からドイツ、オーストリア、フランスの計4病院で臨床試験を始め、33人に埋め込んだ。6カ月以上装着した患者は12人で、うち4人は1年を超えた。13人は心臓移植を受けたが、移植を断ってそのまま装着を続ける患者もいる。人工心臓そのものが原因と見られる死亡はなかった。

 ドイツで承認を得たことでEU(欧州連合)各国で販売できる。米国、日本でも申請準備を進める。

[朝日新聞 / 2007年02月28日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200702270438.html

[テルモ社 ホームページ、プレスリリース]
テルモ、世界初の磁気浮上型左心補助人工心臓 「DuraHeart®」のCEマークを取得
http://www.terumo.co.jp/press/2007/005.html