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低酸素状態での解糖系の仕組みを解明~慶応大学 先端生命科学研究所

2007年02月13日 | 循環器
 鶴岡市にある慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市、冨田勝所長)は13日、ヒト赤血球をモデルに細胞内の代謝反応を予測するコンピューターソフトウエアを独自に開発し、低酸素状態で赤血球の中に含まれるヘモグロビンが特殊な酵素と結び付き、必要なエネルギーを生み出す解糖系の仕組みを解明したと発表した。今後、赤血球の機能の研究が進めば、人工赤血球の開発にもつながる可能性があるという。

 赤血球はヘモグロビンを含有し、酸素の運搬役として機能する。冨田所長と曽我朋義教授、慶応大医学部の末松誠教授、同大大学院の木下綾子さんらの研究グループは、低酸素下での赤血球の働きを調べるため、細胞内の代謝反応を高速でシミュレーションするコンピューターソフトを開発。このソフトを用いて、細胞の機能維持や血流調整に必要なATP(アデノシン3リン酸)などの代謝物質の変化を予測した。だが、メタボローム解析で測定したところ、予測値と実測値は一致しなかった。

 そこで研究グループは、赤血球の膜に付着しているタンパク質のBAND3(バンドスリー)に着目。酸素が外れたヘモグロビンは、バンド3と結合することで、バンド3の中からPFK(フォスフォーフルクトキナーゼ)など3種類の酵素が分離し、解糖系を機能させる仕組みをプログラムに組み込んで予測値を算出。さらに、メタボローム解析したところ、予測値と実測値が一致する結果を得た。

[山形新聞 / 2007年02月13日]

http://yamagata-np.jp/newhp/kiji/200702/13/news20070213_0195.html

慶応義塾大学 プレスリリース
 計算機科学を利用した生命現象の予測と実証
 -慶應義塾大学「細胞生体機能シミュレーションプロジェクト」の成果
http://www.keio.ac.jp/pressrelease/070213.pdf


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