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パーキンソン病、ブレーキ役たんぱく質解明=京都大学先端領域融合医学研究機構

2007年02月15日 | 脳、神経
 手足のふるえなど体の動きが不自由になる難病、パーキンソン病の原因物質が脳内にたまるのを抑えるたんぱく質を、京都大先端領域融合医学研究機構の木下専(まこと)助教授、猪原匡史(いはら・まさふみ)特別研究員らのグループが明らかにした。15日付の米専門誌「ニューロン」電子版に発表する。根本的な治療薬開発につながる成果と注目される。

 パーキンソン病は全国に10万人以上の患者がいるとされる難病。中脳の黒質と呼ばれる部分にある神経細胞に悪玉たんぱく質がたまり、その毒性が細胞を殺し、神経伝達物質ドーパミンの分泌が減って起こる。

 木下助教授らはこれまでに神経細胞内では悪玉たんぱく質とともにSept4というたんぱく質も凝集することを確認、このたんぱく質の役割を調べていた。

 その結果、米国でつくられたパーキンソン病症状を起こすネズミで、Sept4をつくれないように遺伝子操作すると、症状は3カ月ほど速く悪化することが判明。Sept4が、悪玉たんぱく質の蓄積のブレーキ役になっていることがわかった。Sept4は、ドーパミンをつくるシステムを安定化させる役割もあり、善玉たんぱく質ともいえる。

 木下さんは「パーキンソン病では、Sept4が欠乏している例も見られ、悪化に拍車をかけているらしい。研究を進めて治療に結びつけたい」と話している。

[朝日新聞 / 2007年02月15日]
http://www.asahi.com/science/news/OSK200702150100.html