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「メリー・ポピンズ リターンズ」 (2018年、アメリカ)

2019年03月13日 | 映画の感想・批評


まずは吹き替え版を鑑賞。約3週後、ようやく字幕版にて鑑賞。
とある特殊事情から、我が家では前作のビデオは伸びきるくらい何度も観てきたし、修学旅行のディズニーランドでメリーポピンズに出会えた娘は感激するも、友人たちに「メリーってだれ?」と不思議がられるくらい、のめり込んできた作品。
昨年夏、午前十時の映画祭のおかげで、劇場で初鑑賞できた時は半世紀を超えてなお感動したほど。
それゆえ、本作への期待度はかなり高くてがっかりしないか心配したが。
いえいえ、十分に楽しかった🎵

前作の20年後、大恐慌の時代を背景に、バンクス家の弟マイケルは3年前に妻を亡くし、3人の子どもたちと昔からのチェリー通りの家で暮らしている。
姉のジェーンは近くで一人暮らしをしながら、弟家族をサポートしている。
マイケルは父のいた銀行でパート勤務をしているが、銀行からローンの返済を迫られ、困惑。父の株式証券があれば助かるのだが、見つからない。
かつて家族で一緒に揚げた凧が出てくるが、もはや凧揚げをする余裕もなく、ゴミ箱へ。。

家を追い出されそうになったバンクス家に、凧を掴んだメリーポピンズが舞い降りてきて・・・・。

あら、「パフューム~ある人殺しの物語」の孤独な青年が良いパパになってる。
ちょっとどころか、「パフューム」ファンにとってはうれしい驚き。ベン·ウィショー、名前に覚えがある。

お隣の海軍大将もご健在。コリン・ファースが悪役をけっこう楽しそうに演じてる。メリル・ストリープもちょっとの出演ながら存在感は大きい。
狂言回しのジャック役のリン=マヌエル・ミランダは踊りも素晴らしい。

主役のエミリー・ブラントは、凛としたメリーの姿と、慈愛に溢れた表情も豊かで、前作のジュリー・アンドリュースよりも優しさと華やかさを感じる。
3人の「小さな大人」には子どもらしい時間と、かつての「子どもたち」にはもう一度夢を与えてくれる。
そして、「扉が開いたら」そっと舞い上がって・・・・・

アニメとの融合も、今ならCGを活用するところを、あえてアニメーションにこだわったというから、ディズニー社の思い入れも大きい。

まあ、前作のあのお方が❗
ディック・バン・ダイク、この人なしに前作は語れない。オン年93ですって
まだまだ若々しい。さすがにタップは省略ぎみだったか。
「銀行にあの日預けた2ペンスのその後」については、あれ、ジェーンとマイケルは預けたんだったっけ?
もう一度元の作品を確認してみなければ。ちょっと引っ掛かりは感じつつ。


台詞や小道具、建物などに前作へのオマージュが溢れてて、それだけでも嬉し涙が溢れてくる。
音楽はさすがに長年聞き込んできた前作の楽曲が耳に響くので、この勝負は前作にかなわない。
ときおり、BGMで前作の音楽が流れた時はうるっときた。また、それにふさわしいシーンだった。

我が家の特殊事情の人、若くして亡くなった姉の72回目の誕生日にこの作品を観られたのも感無量。
「一緒に観ようって約束したのに果たせなかったね。半世紀ぶりのリターンズも楽しかったよ」と墓前に報告してきた。

アナ雪の人気の陰に隠れてしまった名作「ウォルト・ディズニーの約束」をもう一度見直したい。
原作者のトラヴァース夫人、映画化にはいたく抵抗されたらしいが、半世紀たってリターンズが生まれるほど、この作品は世界中で愛されていることを知って、安心されたかしら。

吹き替え版で懐かしいセリフが生かされていたのに、字幕版にそれがなかったのがとても残念。

♪タッタカタ♪
こうつぶやいたら、元気が出てくる!

(アロママ)

原題:MARY POPPINS RETURNS
監督:ロブ・マーシャル
脚本:デヴィット・マギー
原作:P・L・トラヴァース
出演:エミリー・ブラント、リン=マヌエル・ミランダ、ベン・ウィショー、コリン・ファース、メリル・ストリープ、ディック・ヴァン・ダイク


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