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ホワイトハウス・ダウン(2013年アメリカ映画)

2013年09月11日 | 映画の感想・批評
 首都ワシントンで議事堂が何者かによって爆破され、続いてホワイトハウスが占拠される。館内に居合わせた副大統領と下院議長は何とか難を免れて脱出するが、大統領は警護隊長に先導されて緊急時用のシェルターに避難する。たまたまその日、警護隊員の面接試験に来ていた主人公は、ついでにホワイトハウス・オタクの愛娘を見学ツアーに連れて来ていて、ともに事件に巻き込まれてしまう。主人公は行きがかり上、大統領と行動を共にしながら館内を逃げ回る一方、見学者と一緒に人質となっている娘を救出しなければならないという公私のジレンマの中で、幾多の試練が怒濤のように押し寄せてくるのだ。それにしても、ホワイトハウスが落城してからのジェットコースター・ムービーぶりは鮮やかである。
 映画を何十年も見てきた人には最初にテロの首謀者が誰かわかってしまうという配役上の仕掛けがあり、おまけに終盤で本当の首謀者が別にいたという念の入ったどんでん返しが用意されている。
 ところで、大統領に万一のことがあった場合、大統領の継承順位が定められていて、まず副大統領が継ぎ、副大統領に事故あるときは下院議長が継ぐことになっている。合衆国史上これまで下院議長が継ぐという最悪の事態に至ったことはないけれど、映画では大統領がホワイトハウス内で消息を絶ち、副大統領もテロで殺された結果、下院議長に最終権限が委譲されるのである。
 ひとりの命と何百万人の命を天秤にかけた場合、後者を救うためには前者が犠牲になるのもやむを得ぬという論理は保守派の観点から見るとごく当たり前だろうが、リベラルの立場から果たしてそうかと、疑問を突きつけているように私には思えた。たったひとりの命も粗末にしてはいけないと言っているように。 (ken)

原題:White House Down
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本: ジェームス・ヴァンダービルト
撮影:アンナ・J・フォースター
出演:チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、リチャード・ジェンキンス、ジェームス・ウッズ


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