チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

辺野古新基地建設を許さない県民大会 /// 防衛省、今まで拒否し続けていた土質調査報告書等をすべて国会に提出!

2019年03月16日 | 沖縄日記・辺野古

  今日(16日・土)は那覇市の新都心公園で、「土砂投入を許さない! ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める県民大会」が開かれた。

 防衛局は、県民投票で圧倒的に示された民意にもかかわらず、25日からは新たに「②工区」へも土砂を投入しようとしている。こうした工事強行を許さないと、会場には1万人を超える人たちが集まった。

 多くの人たちが集まって元気づけられた県民大会だったが、デニー知事が下地島空港の開港記念式典のために姿を見せなかったのはやはり残念だ。

     (1万人を超える人たちであふれた県民大会)

 

 昨夜、突然、マスコミ関係者や議員秘書さんらから電話が相次いだ。防衛省が、今までは行政不服審査請求の審査中だとして公開を拒否していた、軟弱地盤に関する地質調査のデーターを参議院予算委員会理事会に提出したのだ。

 公開されたのは、昨年に公開され軟弱地盤の存在が明らかになった2件の地質調査以降の4件の地質調査の報告書と、昨年10月、今年1月の『地盤に係る設計・施工の検討結果報告書』(以下、「報告書」)とその『補足説明書』等だ。全31件の文書で、総枚数9947枚にもなる。

 あまりに膨大な資料なので、ダウンロードして整理するだけでもかなりの時間がかかった。

 今日、県民大会の前後にあわてて目をとおした。19日(火)には参議院議員会館で立憲フォーラムの院内集会に呼ばれているので、その内容も説明しなければならない。月曜からの参議院での審議でも、野党議員さんらの追求が始まるだろう。また、忙しくなる。

 

 まだ十分に検討できていないが、概ね、次のような点が問題になるだろう。

1.昨年に公開された2件の土質調査報告書では、4地点(C1護岸、C3護岸、A護岸)でN値ゼロという超軟弱地盤があり大きな問題となった。今回、公開された地質調査結果によると、さらにC2護岸、係船機能付護岸、中仕切岸壁A・Bなどでも、N値ゼロの超軟弱地盤が存在することが判明した(海上ヤード部でも)。超軟弱地盤は広範に広がっているのだ。

2.昨年に公開された2件の土質調査報告書では、大浦湾の海面下70mまで軟弱地盤があることが分かっていたが、今回、軟弱地盤は海面下90mまで続いていることが明らかになった。

3.政府は、「海面下70m以深は固い地盤であり、地盤改良は70mまでで問題はない」という。しかし、70m以深もやはり同じ「谷埋堆積物(粘性土)」の地盤であり、地盤改良の必要がないという根拠は示されていない。

4.報告書では、「改良深度については、専門工事業者へのヒヤリングから現有作業船の能力等を考慮し、改良深度は-70mとする」とされていた。あくまでも作業船の能力から70mと決めたのであり、地盤が固いので70m以深は地盤改良の必要はないとは記載されていない。

5.地盤改良工事のための砂杭・敷砂で合計650万㎥もの砂が必要となる。これは沖縄の年間海砂採取量の3~5年分ほどにもなるが、その調達先が示されていない。沖縄周辺の海砂が採りつくされてしまう。

6.今回、公開された地質調査結果によると、護岸や埋立部だけではなく、ケーソンの仮置き場となる海上ヤード部でもN値ゼロの超軟弱地盤が広がっていることが判明した。今回の報告書では海上ヤード部の地盤改良は含まれておらず、現状のままでは海上ヤードの造成は不可能である。海上ヤードなしでケーソンの設置はできない。

7.地盤改良工事にともない海底の軟弱地盤が大きく盛り上がり、54万㎥もの浚渫が必要となる。報告書では、「埋立材として使用する」とされているが、そもそも超軟弱地盤のために地盤改良するような土であるから、埋立材とすることは無理である。

8.報告書では、地盤改良工事は海上施工が3年8ケ月、陸上施工が1年で合計4年8ケ月とされている。この工程は、一度に11隻もの作業船が同時に稼働するとしたものであり、実際には無理である。また、砂の調達その他の問題等が多く工事は順調には進まない。

9.報告書では、地盤改良工事に伴い、1次圧密と2次圧密で3.7m沈下するとされている。しかし、関空1期工事では1987年から2017年までに13m、羽田空港D滑走路では2007年から2017年までに7mも沈下している。しかも、大浦湾の複雑な地形により均等な沈下とはならない。

 さらに、埋立承認願書では、盛土部分でも滑走路や建屋等の下などをサンドコンパクション工法で地盤改良を行うとしている。基礎地盤の沈下だけではなく、その上の盛土部分の沈下もあわせて検討しなければならない。

10.さらに地盤改良工事に伴う環境への影響は深刻である。報告書では、敷砂投入・砂杭打設の際に、「必要に応じて汚濁防止膜を設ける」としているが、海底30mまで汚濁防止膜を設置できるはずはない(現在、大浦湾に設置されている汚濁防止膜のカーテンは海面下7mまでしかない)。

 また報告書では、「環境保全図書記載の工事と地盤改良工事のピークとなる時期が同時期に重ならないよう工程を調整することにより、そのピークが環境保全図書で想定されている範囲を超えることはない」としているが、先に説明したように地盤改良工事はぎっしりとした工程が組まれている。工程を調整するのであれば、地盤改良工事が大幅に延びてしまう。

 

 下は、海上ヤード部分のBK3地点の土質柱状図。海底から37m下までの地盤は26か所でN値ゼロという超軟弱地盤である。他の3地点でもN値ゼロが確認されている。

 

 

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