辺野古新基地建設事業では、本年1月から、大浦湾での地盤改良工事が始まった。今、大浦湾には6隻の巨大な地盤改良作業船がひしめいている。
今後、ケーソン護岸等の下部では、サンドコンパクションパイル(SCP)工法、埋立区域では、サンドドレーン(SD)工法,浅い部分はペーパードレーン(PD)工法による地盤改良工事が行われる。
地盤改良工事について、よく、「7万1千本の砂杭」と言われる。しかし、これは事実に反する。SCP工法は1万6千本の「砂杭」(支持力を強化するために、直径1.6~2.0mの砂杭を密集して打つ)、SD工法では3万1千本の「砂柱」(水を抜いて圧密を促進させるために直径0.8mの砂柱を4m間隔で打つ)だが、残りのペーパードレーン工法2万4千本は、直径5cmの紙筒のような天然素材を2m間隔で打つもので(水を抜いて圧密を促進させるため)、「砂杭」ではない。
従って、正確には、「4万7千本の砂杭」、せめて「7万1千本の杭」というべきであろう。
SCP工法は設計変更申請では約2年、SD工法は約3年の工程だが(PD工法はその後)、そもそも工事着手が予定より半年ほど遅れており、着手後も3月末時点で1330本しか打設できていない。この調子では4万7千本を打ち終えるには、約6年を要することになる。今後、深場での地盤改良工事が始まるので工程はさらに遅れるだろう。防衛局は「地盤改良工事は順調」と強調するが、 工事は大きく遅れている。