チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

なんと大浦湾の地盤改良のために6万本もの砂杭打設---全く非現実的な計画、いったい何年の工期と費用が必要なのか? (一部訂正)

2019年02月02日 | 沖縄日記・辺野古

 大浦湾の軟弱地盤問題が新たな展開をみせている。安倍首相が、1月30日、31日の衆議院代表質問で、軟弱地盤の存在と地盤改良工事の必要性と、年内にも知事に設計概要変更申請の手続を行なうと答弁した。

 そして2月1日の琉球新報は、地盤改良工事のためになんと6万本もの砂杭が打設されると報道した。護岸・岸壁部分17haにはサンドコンパクションパイル工法で砂杭4万本、埋立部分40haにはサンドドレーン工法で2万本の砂杭(砂柱)を打設するというのだ。

 さらに今日(2日)の沖縄タイムスでも、防衛局は今年の1月、6万本の砂杭を打設するように変更したと報道した。そして、サンドコンパクションパイル工法、サンドドレーン工法を行なう区域のかなり詳細な図面を掲載した。

 サンドコンパクションパイル工法はケーソン護岸(C-1、C-2、C-3、係船機能付護岸)中仕切岸壁A、同Bの基礎地盤で実施とされている。今まで、全く言われていなかった中仕切岸壁の箇所でも地盤改良が行なわれる。またサンドドレーン工法は、大浦湾の最深部③工区だけではなく、①-1、①-2区域でも実施されるという。

 以下、この問題について解説する。

 

2019.2.1 琉球新報

2019.2.2沖縄タイム


 まず、サンドドレーン工法、サンドコンパクション工法について説明する(下は私のパワーポイント資料より)。


◍ 大浦湾の約半分で地盤改良工事が行なわれる!

 まず驚くのは、地盤改良工事が57haもの広い範囲で必要とされていることだ。大浦湾側の新基地面積は約115haであるから、約半分の範囲で地盤改良工事が行なわれる。これだけ広範囲で大規模な地盤改良工事が行なわれた場合、大浦湾の自然環境への影響は深刻である。


◍ 6万本もの砂杭打設にはいったいどれぐらいの工期と費用が必要か?

 昨秋、沖縄県は地盤改良工事のためには5年の工期と500億円ほどの費用が必要と試算した。当時、政府は砂杭が2万本と説明しており、その数で試算したものである。砂杭が6万本に跳ね上がると、いったいどれぐらいの工期と費用が必要になるだろうか?

 たとえば1日に30本の砂杭(砂柱)を打設するとしよう。それでも1年で1万1千本ほどがやっとだ。6万本なら6年を超えてしまう(実際には土・日や盆・正月休み、荒天時には工事ができないから、さらに長期となる)。

 県の試算は4万本の砂杭で5年だったから、6万本となると7~8年という計算もできる。

 費用についても、県の試算500億円を大きく超えるだろう。6万本の砂杭打設など、実際には全く非現実的で荒唐無稽な計画なのだ。

 これだけ広範囲の地盤改良の必要があること自体、県が埋立承認撤回の理由としたように、基地建設の立地条件が整っていないということを示している。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2月1日、南風原での学習会... | トップ | 辺野古への県外からの土砂持... »
最新の画像もっと見る

沖縄日記・辺野古」カテゴリの最新記事