乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

医薬品副作用の救済制度

2011年01月13日 | 患者の気持ち
イレッサ訴訟で患者側が和解勧告を受け入れましたね。この受け入れは今後、がん患者にとってどのような発展をするのか、、、気になるところです。

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【<医薬品副作用>救済、抗がん剤の死者も 民主議員ら検討】 毎日新聞  1月9日(日)9時45分配信

 国の医薬品副作用被害救済制度に「抗がん剤」による死亡を含めるよう見直しを求める動きが出始めた。昨秋には民主党国会議員による勉強会も発足、制度改正の検討を開始した。抗がん剤は副作用がほぼ避けられず、現在は制度の対象外になっているが、東京、大阪両地裁が7日に和解を勧告した肺がん治療薬「イレッサ」訴訟の原告・弁護団も、死亡した場合は救済対象に含めるべきだと主張している。

 医薬品副作用被害救済制度は80年、整腸剤による副作用が問題化した薬害スモンを教訓に法制化された。薬を適正に使用したのに死亡や入院相当以上の健康被害が生じた場合、最高約2380万円の遺族年金や障害年金などが給付される。

 財源は、国内すべての製薬会社と薬局製造販売業者8340者が出荷数量などに応じて分担する拠出金で、09年度総額は約38億円。健康被害を受けた人からの申し立てを受け、厚生労働省の審議会が薬の使用状況などを審査し、09年度は1052件の請求に対し861件(総額約18億円)が給付対象になった。

 抗がん剤を対象から除外している理由について、厚労省は「重い副作用が起きる確率が高いうえ、代替の治療法がない患者が使用する場合も多く、副作用は受忍せざるを得ないという考えに基づいている」と説明する。

 最近は抗がん剤も進歩し、一部では副作用も軽減されてきているが、強い薬剤であることには変わりない。

 弁護団の水口(みなぐち)真寿美弁護士は「がん患者は残された命を大切にしたいという切実な思いで抗がん剤を使う。死亡被害まで受忍すべきだとする理由はない」と反論した。

 民主党議員の会は昨年10月、約50人で発足、抗がん剤の副作用にあった患者らからヒアリングを進めている。同会の事務局長を務める本多平直(ひらなお)衆院議員は「がん患者の立場に立った制度の在り方を検討したい」と話す。

 抗がん剤を販売する大手製薬会社の幹部は「延命目的で抗がん剤を使用する末期がん患者の場合、死亡原因が薬による副作用か、がんなのかを区別するのは難しいが、企業として被害者を見過ごすこともできない。拠出と給付のバランスが取れ、制度が維持できるならば実現も可能ではないか」と話している。【佐々木洋】

 ◇イレッサ問題も影響…抗がん剤救済検討

 民主党内で検討が始まるなど、医薬品副作用被害救済制度に、抗がん剤による死亡を含めようとする機運が高まっているのは、がんが国民の死因のトップ(09年で約34万人)を占め、3人に1人ががんで死亡する中、抗がん剤が幅広く治療に使われているためだ。

 進行がん患者に使われる抗がん剤の副作用は、問題が起きても「他に治療法がなく患者も覚悟していた」と片づけられがちだ。しかし、行政や製薬会社、医師から十分なリスクの説明がないまま効果だけが強調され、その結果、副作用で多数の死者を出した「イレッサ」の問題は、がん治療の在り方をも問いかけている。

 抗がん剤の副作用による死亡率は1~2%とされる。具体的な人数など正確なデータは不明だが、厚生労働省が抗がん剤を救済制度の対象に含めるのに慎重な理由の一つは、請求が殺到し製薬会社の負担が増え、制度が維持できなくなる懸念があるためだ。

 厚労省幹部は「医療者と患者が納得して治療する体制づくりが先ではないか」というが、イレッサ訴訟が投げかけた問題を真摯(しんし)に受け止め、救済制度の見直しに向けた検討も進めるべきだ。【佐々木洋】
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>弁護団の水口(みなぐち)真寿美弁護士は「がん患者は残された命を大切にしたいという切実な思いで抗がん剤を使う。死亡被害まで受忍すべきだとする理由はない」と反論した。

とありますが、

「がん患者は残された命を大切にしたいという切実な思いで抗がん剤を使う。死亡リスクと延命とを、秤にかけて決断する。」と、私は思っていました。
しかし、その心の奥底には、、、自分は副作用死をしないんじゃないかという、「自分だけは大丈夫」説を秘めていたのも確かです。

つまり、本当に命をかけて決断した、とは言えない。
副作用で強烈な苦しみに襲われたら、「ああ、しまったぁ、私が大当たりかぁ…」と悔しがりながら死んでいったかもしれません。それを傍らで見る家族は、何を思うのかな。
なかなか「覚悟」の選択って、できないような気がします。

この見直し案は、抗がん剤治療を行う上で、新薬について特に大きな問題を含んでいると思います。未知の副作用の多い新薬。医師だって副作用については初体験ばっかりです。患者が希望しても使うのをためらう場合が増えたらどうしましょう。

副作用死した場合、マスコミの取り上げ方によっては責任の所在が偏向します。責任をなすりつけられた人や機関は、どんな態度に出るのでしょうか。
「責任」も一方的に一人、一つの機関が、というわけでもなし。賠償金や保証金を取りやすいところから取るほどに、問題は複雑化するでしょう。

「余命短い癌患者が、死に際に抗がん剤治療を受けて死んでも、それは寿命だ」という声も聞こえてきそうです。
救済制度に申請する人が溢れ、結果として医療制度が傾くような救済金が払われたら、、、がん患者への差別が心配になります。
介護保険制度ができたばかりの頃、一気に申請者が増え、結果として保険の徴収額が上がったことを思い出します。

なんとなく、この見直し案を素直に受け取れない私でした。。。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” is able to read in Japanese:-)

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