ピトの開拓教会を後にしたのはもう夕暮れ。
来たときとは逆に右にダム湖を見ながら、バギオへ引き返していきました。カーブが多く、アップダウンが多いとはいえ、この日は、まだまだ快適なドライブでした。
S先生は、40年近く前、同じ道(とはいえ当時は未舗装)で、中古の改造車のようなセダンで走り、突然、車がエンストを起こしてしまった時の話を始めます。
当時のフィリピンの社会通念として、夜中に山の中で立ち往生していると襲われる危険性があったので、きた道を下るべく車を押してUターンさせ、坂道をだらだら下り、人家のあるところまでたどり着いたこと。だれかの家に助けを求めて入り込めば安心なので、見知らぬ家に助けを求めたところ、先方が宣教師であるS先生を知っていてホッとしたことなどを、楽しそうに話されるのです。それにしても、車を一台ひとりで押してUターンさせるなんて!と、驚いたのです。
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バギオに戻ってくると、宿泊施設のAPTS(アジア太平洋神学校)に行く前に、バギオAG教会へ立ち寄りました。前日私たちをマニラからアゴーまで運んでくださったロペス先生が牧会している教会です。
大きな教会で、案内された部屋は優に二百人は入りそうな広い会堂でした。しかも、三階建てで、すべて会堂だというのです。
残念ながら、礼拝会のときではなかったのですが、私たちのための夕食歓迎会が準備されていました。
まず、食事前のお祈りがありました。
その後、食事や果物が運ばれてきました。
食事はテイクアウトの中華料理のようでした。バギオは、30万人が住む大きな町ですから、さまざまな店があるのです。
果物は前日、ロペス先生がお買いになったスイカを始め、たくさん出ていました。
ところが、だんだん寒くなってきて、とうとう車にコートを取りに行きました。
ダウンのコートを着ても寒いのです。
バギオは海抜1500メートル地点です。それほどの高地になると、熱帯であっても寒いのだと思い知らされました。