ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

殺人者の烙印

2015年01月15日 | 






                  


               あまりにボロボロで、写真でお見せするのが恥ずかしいほどです。
               ご推察の通り、何十回も読んだのです。

               バッグに入れて持ち歩き、家の中であちこちに置きなおされ、
               旅行にも連れて行きました。


               作者のパトリシア・ハイスミスは、
               映画「太陽がいっぱい」の原作者、
               ヒッチコックの映画にも、「見知らぬ乗客」が採用されたミステリー作家です。


              ミステリー作家になりたいと思っていたある時期、
              ハイスミスは、私の脳天を打ったのです。

              それまで、素朴に「ミステリーとはこのようなもの」と思っていた世界に、
              なにか根本的な認識の転換をせまられたのです。


              「心理サスペンス」というカテゴリーがはめられていますが 、
              そのカテゴリーから洩れ落ちる「殺気」に、
              私も、そのような作品を書きたいと思いました。

         
              技術だけでないものが、たしかに彼女の世界を作り上げていて、
              それがなにかわからなくて、
              私は、キリスト教に興味を持ったのだと思います。



                      ★ ★ ★ ★ ★


                       この小説の原題は、

                   「A SUSPENSION OF MERCY」




                      


                  ミステリー作家にはなれなかったけれど、自分もまた
                  「A SUSPENSION OF MERCY」の中にある
                  と知ったのは、私にとって、望外の祝福でした。










 
       


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