猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

薔薇は死んだ

2023-03-01 21:48:18 | 日記
2015年のハンガリー映画「薔薇は死んだ」。

第1次世界大戦直前のブダペストで、カトゥ(ラウラ・ドーブローシ)は
メイドの職を求めてエルザ(パトリシア・コヴァーチ)の屋敷を訪れる。
エルザは実業家のマックス(ヤノシュ・クルカ)の愛人として自由な生活
を送っていたが、上流階級の出身ではないことから、社交界に入れない
ことを不満に思っていた。そんな中、エルザは新しいメイドとして雇っ
たカトゥを気に入るが、元々メイドをして働いていたロージ(ドルカ・
グリッウス)はエルザがカトゥをかわいがることに不満を感じる。

1914年にエルザ・マグナシュが殺害された実際の事件を基にしたミス
テリー。ある日、川に大きなバスケットが流れてくる。警察がバスケッ
トを開けると、エルザ・マグナシュの遺体が入っていた。エルザは有名
な高級娼婦だった。その数日前、若い女性・カトゥはメイドの職を求め
てエルザの屋敷を訪れていた。以前からメイドをしているロージが面接
をするが、カトゥが推薦状を持っていないことで一旦は断るが、カトゥ
が切羽詰まっている状況を察して雇うことにする。
屋敷の主のエルザはマックスという裕福な実業家の愛人で、何不自由な
い暮らしをしており、よく客を招いていた。ロージとカトゥはご馳走を
用意してもてなした。エルザとマックスは愛し合っている様子だったが、
結婚しておらず、カトゥはそれを不思議に思う。「結婚前に男性と寝る
のは許されるのでしょうか」とカトゥはロージに問うが、ロージは「マ
ックス様はとても忙しい方だし、色々事情があるのよ」と言う。
カトゥは屋敷で暮らすうちに、エルザの生活について色々とわかってく
る。エルザは女性の強みは若さと美しさだと考えており、カトゥにもそ
う言い聞かせる。と言ってもエルザはもう35歳で、愛人業をやるには
ギリギリといってもいい年齢だった。そして別に美人ではない。メイク
や髪型でゴージャスに見せているだけという感じ。エルザは若くてかわ
いいカトゥを気に入り、ある日カトゥを着飾らせて高級クラブへ連れて
いく。そこはたくさんの男女がいた。クラブという名目だが実際は娼館
のようなもので、カトゥは緊張する。
帰宅後、ロージはカトゥに「2度と行かないで。娼婦にされてしまうわ
よ」と言い、カトゥに神に誓わせるのだった。しかしカトゥは日頃のエ
ルザとロージとの会話から、ロージもかつては娼婦だったことに気づい
ていた。エルザとロージは昔からの仕事仲間であり、親友でもあった。
そして愛し合っている様子もあった。そしてエルザはマックスを裏切り、
若い男と駆け落ちしようと考えていた。それに気づいたマックスはロー
ジを問い詰めるが、マックス様への愛は本物だと思う、と答える。
エルザを殺した犯人は簡単に納得できるし、ミステリーとしての要素は
そんなにない。女性3人のドロドロした関係が見どころという感じ。そ
こに男性2人の思惑が加わり、濃密な人間ドラマになっている。全体的
に暗いトーンだが、映像はいい感じ。「おもしろい」という映画ではな
いのだが、ヨーロッパ映画好きの私には好きなタイプの作品だった。




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コメント (2)
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