猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

合葬

2015-10-13 04:59:37 | 日記
日本映画「合葬」を観にいった。
慶応4年(1868年)、第15代将軍・徳川慶喜は江戸城を無血開放し、300年に亘る
江戸幕府は終わりを告げた。将軍の警護と江戸市中の治安維持を目的として有志
によって結成された彰義隊も、次第に新政府にたてつく反乱武装集団との立場に
追いやられていく一方、彰義隊内部でも新政府との徹底抗戦を主張する強硬派と、
衝突回避を目指す穏健派に分裂する事態に。そんな中、あくまで将軍に忠誠を誓う
17歳の極(柳楽優弥)、養子先を追い出された柾之助(瀬戸康史)、極が婚約を解消
した砂世の兄・悌二郎(岡山天音)の3人の隊士も、時代の荒波に否応なく飲み込ま
れていく。

時代劇と言うより、幕末を舞台とした青春映画である。楽しみにしていた甲斐あって、
とても良かった。彰義隊というものを私は知らなかった。将軍に忠誠を誓って入隊し
たがために、過酷な運命を生きていくことになる少年たちの物語だ。と言っても、幼
なじみの3人は入隊した理由がそれぞれ違う。極は将軍に仕えるという高い志を
もって自ら入隊したが、柾之助は養子先を追い出され、行くあてもなくなりゆきで
入隊し、悌二郎は極が妹との婚約の破談を申し入れてきたために、極を説得し除隊
させようと入隊することになってしまった。それぞれの思いは違っても、彰義隊の中
で彼らは運命を共にすることになる。
最初から悲劇になるのは想像がつくものの、おもしろかった。歴史をあまり知らない
人でも楽しめるのではないだろうか。極、柾之助、悌二郎のキャラクターが魅力的で、
物語に惹き込まれていく。彰義隊の穏健派・森(オダギリジョー)の優しい目も印象
的だった。オダギリジョーは着物が似合う。でもやっぱり、柳楽優弥が1番時代劇の
衣装や髪型が似合っていた。顔立ちのせいだろうか、若い俳優でこんなに似合う
人はいないのではないだろうか。あの目力も圧倒的。
映像も暗いがきれいだったし、音楽も良かった。極の枕元に上様が立つシーンや、
極が元婚約者に密会しにいくシーンが特に良かった。時代に翻弄された少年たち
の悲しい物語だが、どこか今の若者にも通じるところがある、普遍的な青春映画
だと思った。漫画が原作とのことなので、是非読んでみたい。



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