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猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

キナタイ マニラ・アンダーグラウンド

2019-07-20 22:12:09 | 日記
2009年のフィリピン・フランス合作映画「キナタイ マニラ・アンダーグラウンド」。

貧乏な警察学校の学生であるぺピン(ココ・マルティン)は、子供が生まれたため恋人と
結婚をするが、金を稼ぐ機会があればそれをみすみす逃すことは有り得ない。既に、ち
ょっとしたサイドビジネスとして麻薬の売買に関わって小銭を稼いでいたぺピンは、友
人からの魅力的な金額の仕事の誘いを簡単に受けてしまった。すぐに彼は暗黒社会への
強烈な道を辿ることになる。

ローサは密告された」のブリランテ・メンドーサ監督作品。貧しい警察学校生が暗黒
社会へ転がり落ちていく様子がリアルに描かれている。ぺピンは子供が生まれ、恋人と
結婚するが、貧乏な彼は自分の収入だけでは食べていけないことがわかっており、麻薬
の売買に手を染めている。そのうち友人からいいお金になる仕事の誘いが来て、簡単に
仲間に入ってしまう。それは娼婦の誘拐、殺人だった。
ぺピンが警察官を目指していることで、黒社会の皆は「警官の給料じゃ食べていけない
だろう」と言う。「ローサは密告された」でも描写されていたが、フィリピンは警官の
給料が本当に少ないらしく、逮捕してきた容疑者に「いくら払えばここから出してやる
」と脅す場面があった。多分そんなことは日常茶飯事なのだろう。恐ろしいことだ。ぺ
ピンは優しいいい人なのだが、やはり貧しさゆえ悪事に手を染めてしまっている。1度
そういうことをやると、どんどん深みにはまってしまうものだ。彼は友人から誘われた
仕事がまさか殺人だとは思っていなかったのだ。
「キナタイ」とはという意味である。この映画では娼婦を殺害するだけでなく死体
を解体する場面もある。そして切断した遺体を車の中からあちこちにポイと捨てるシー
ンは、リアル過ぎて観ていられない。ぺピンはこれからどうするのだろうか。仲間に入
ってしまった以上同じような仕事を続けるしかないのだろうか。ラスト近くでボスに「
早くこの仕事に慣れろ」と言われ、「これで赤ん坊にミルクでも」とお金を渡される場
面は本当に胸が悪くなる。あのお金で赤ん坊にミルク。フィリピンの闇は深い。おもし
ろかったが、何度も観たくなる映画ではない。



ノエルはベルのことが好き。














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コメント (8)
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