猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

エターナル

2018-07-30 22:18:20 | 日記
2017年の韓国映画「エターナル」。

証券会社の支店長を務めるカン・ジェフン(イ・ビョンホン)は、オーストラリアに住む
妻スジン(コン・ヒョジン)と幼い息子ジヌと離れて暮らしながらも、安定した仕事と家
族に恵まれ、それなりに成功した人生を送っていた。しかし、突如発覚した不良債権事
件をきっかけに、全てを失ってしまう。失意の中、妻子に会うためにオーストラリアに
向かうジェフン。だが、妻子が住む家の近くから、妻にオーストラリア人の恋人らしき
男性がいるのを見てしまう。ショックを受けたジェフンは、密かにその場を去り、妻子
の秘密を探り始める。

イ・ビョンホン主演のラブ・サスペンスということだが、あまりサスペンス要素は感じ
なかった。強いて言うなら恋愛ドラマだろうか。勤め先の証券会社が不良債権事件を起
こし、仕事も財産も失ってしまうジェフン。損をした人々が会社に押し寄せるのだが、
実際のニュース映像などでも見かけるけど、韓国の人って血の気が多いというかカッと
しやすい印象を受ける。支店長であるジェフンや社員たちが頭を下げている時、ジェフ
ンを引っぱたいたおばさんがいてびっくりした。日本で同じような事件が起きたとして
も、支店長を引っぱたく人なんているだろうか、と思った。
一瞬にして全てを失ったジェフンだが、そもそも妻子が何故オーストラリアに住んでい
るのかと言うと、「これからは英語が話せた方がいい」と言って、妻子を留学させたの
だ。いや正確にに言うと留学の名目で妻子と離れ、仕事に没頭したかったのだ。これは
家族を顧みず仕事一筋だった男が痛い目に遭うという物語なのだ。ジェフンはオースト
ラリアに行くが、妻の家にはオーストラリア人男性とその娘(自分の息子ジヌと同じく
らいの年齢)がいて、まるで4人家族のように楽しく暮らしていた。ジェフンはショック
を受け、妻子には会わずにこっそりとその場を去る。
まあまあおもしろかったが、「衝撃のラスト」という謳い文句は大げさである。割と早
い段階からオチが読めてしまう。ジェフンはワーキングホリデーで来ている韓国人女性
ジナ(アン・ソヒ)と知り合うが、そのジナのエピソードの時「あれっ?」と思い、大体
わかってしまう。わかっていてもそれなりにおもしろかったが。けれどもモヤモヤが残
ったのは、ジェフンの妻スジンは結局夫と愛人のどちらを愛していたのかがよくわから
なかったこと。妻はダブル不倫をしていて、愛人の妻は長いこと入院中である。事故で
全く動けなくなったのだ。ジェフンはその妻に会いにいき、夫の不倫をわかっていると
知り、「腹が立たないんですか」と問うが、妻は「私はこんな体で、動けないのですも
の」と悲しそうに微笑む。この物語で1番かわいそうなのはこの妻だと思った。
スジンが何を考えていたのかよくわからない。ジェフンを愛しているのなら、それはそ
れでオーストラリア人の愛人が気の毒だ。あんなにスジンやジヌに尽くしてくれている
のに。やや消化不良だったが、イ・ビョンホンの演技と、妻子が飼っているふさふさの
ポメラニアンのかわいさは評価したい。




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コメント (4)
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