猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

弁護人

2017-10-24 21:27:15 | 日記
2013年の韓国映画「弁護人」。

1980年初頭、軍事政権下の韓国。高卒で他の弁護士たちに見下されながらも、様々な
案件を抱える売れっ子の税務弁護士ソン・ウソク(ソン・ガンホ)。大手企業からのス
カウトを受け、全国区の弁護士デビューを目前にしていた。ある日、駆け出しの頃に
世話になった食堂の息子ジヌ(イム・シワン)が事件に巻き込まれ、裁判を控えている
という情報を聞く。食堂の店主のスネ(キム・ヨンエ)の切実な訴えを無視できず、拘
置所に面会に行くが、そこで待っていたジヌの信じがたい姿に衝撃を受ける。捏造さ
れた国家保安法違反による逮捕者が続出する中、多くの弁護士が引き受けようとしな
い事件の弁護をウソクは請け負うことを決心する。

韓国の大スター、ソン・ガンホが主演し、大ヒットしたヒューマン・ドラマ。実話を
基にしているそうだが、主人公ソン・ウソクのモデルは故ノ・ムヒョン大統領なのだ
という。ノ・ムヒョン大統領って弁護士だったのか。知らなかった。彼はとても成績
優秀だったが、家はかなり貧乏だったらしい。高卒で弁護士になれるのも驚いた。日
本では有り得ないことだと思うが。ものすごい努力をしたらしい。
税務弁護士のウソクが昔世話になった食堂の息子ジヌがある日突然失踪する。店主で
ある母親のスネは必死に捜し回る。ところがジヌは数人の同級生たちと不当逮捕され
ていたのだ。いわゆる"アカ"として。こういうことが80年代の韓国で実際に頻発して
いたとは恐ろしい。80年代は犯罪もとても多かったらしいし、大変な時代だったんだ
なあ。ジヌが逮捕されていることを知ったウソクとスネは拘置所に面会に行くが、全
身痣だらけのジヌを見て絶句する。公安に拷問を受けていたのだ。
この公安の男クァク・ドウォンが本当にずる賢くて憎らしい。ウソクはジヌたちを救
うために奔走するが、こいつがことごとく邪魔をするのだ。公安がジヌたちを拷問し
たという決定的な証拠をウソクは掴んだのに、それさえクァクの根回しによって裁判
で無効になってしまうのだ。観ていて本当にクァクに対する怒りを感じた。
ソン・ガンホの演技は素晴らしかった。ジヌ役のイム・シワンがとてもイケメンだな
あと思っていたら、アイドルグループのメンバーなのだそうだ。なるほど。ラストシ
ーンはとても感動的だ。全てがうまくいったとは言えないウソクだったが、ラストで
救われる。自殺してしまったノ・ムヒョン元大統領だが、こんな人だったんだなあ。




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