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猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

冷たい熱帯魚

2013-06-08 02:45:30 | 日記
2010年の日本映画「冷たい熱帯魚」。
小さな熱帯魚店を営む社本信行(吹越満)は、妻の死後に妙子(神楽坂恵)と再婚したが、若い
継母と娘の美津子(梶原ひかり)は折り合いが悪く、家の中はいつも重い空気が漂っていたが、
気が弱い社本はどうすることも出来なかった。
ある日美津子がスーパーで万引きをしたとの連絡を受け、社本夫婦はスーパーに行った。
店長は警察に届けると激怒していたが、店長の知り合いの村田幸雄(でんでん)の取りなしで
許してもらえることになった。
村田に深く礼を言う社本。村田はスーパーの近所で大型熱帯魚店を経営しており、同業者の
社本に店を見にこないかと誘い、社本たち家族は村田に同行した。
村田の店はとても大きく、社本たちは驚く。村田は美津子を自分の店で働かせないかと提案
した。村田の店では数人の若い女性を雇い、寮生活をさせていた。皆問題のある女性だった。
家を出られることが嬉しくて、美津子は働くと言い出す。村田と妻の愛子(黒沢あすか)は
美津子を責任持って預かると約束し、社本夫婦は村田に押し切られる形になってしまった。
後日社本は村田にビジネスの話を持ちかける。同業者なのだから組んで儲けようと言う。
それは高級熱帯魚への投資だった。村田に恩がある社本ははっきりと断れず、吉田という男
(諏訪太朗)と村田との取り引きの場に同席させられる。これをきっかけに、社本はおぞましい
事件に巻き込まれることになる。

おもしろかったー!!かなりグロテスクだと言われていたが、たいしたことはない。
実際に起きた事件をベースに作られている。
とにかくストーリーがおもしろかった。主要人物である吹越満、でんでん、黒沢あすかの
演技がすごい。鬼気迫る演技とはこういうものかと思った。
最初の頃、後妻と娘の仲をなんとかしようとしない社本にイラついた。娘は後妻を暴言を
吐きながら蹴ったりしているのに、間に入ってやれよ、と思った。
まあ後妻の方も、食事は全て冷凍食品で、人妻なのに胸の谷間が見える服を着ているようじゃ、
娘は死んだ母親と比べて嫌になるかもしれないが。
でもこの娘は最後の最後まで憎たらしい。
村田に脅されて、言いなりになっていた社本が反撃に出る場面は圧巻。人間の怖さがよく
表現された映画だった。
繰り返すが、吹越満、でんでん、黒沢あすかの演技がすごい。もう1度見たい。

園子温監督は、ラストに近いある場面で終わらせてもいいと思った、と言ったそうだが、私も
その方が良かったかもしれない、と思った。