タバコは、多種の発癌物質を含有するが、ニコチンはそれ自体、発癌物質ではない。今回のモーフィット癌センターの研究では、ニコチンが癌の増殖を促進することを確認した。ニコチンは、直接肺の細胞に付着し、細胞成長機能を活発化させる。既存の癌細胞があれば、一気に増殖させることになる。ニコチンは細胞の受容体ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に付着するが、この受容体は全身に存在するものである。この知見は、なぜ喫煙習慣のあるの乳癌患者に化学療法が効きにくいか、またなぜ多くの癌において喫煙は癌の増殖を促進するのかを説明するかもしれない。この記事はJournal of Clinical Investigation8月号に掲載される。WebMD原文