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半導体プロセスに不可欠 需要拡大するガス材料

2007-10-16 | 半導体技術


 半導体ガス材料は金属、樹脂とともに半導体製造には不可欠な材料であり、薄膜形成やドーピングエッチング、クリーニングなどで活用されている。

 薄膜生成では、前述のCVD法があり、半導体ガス材料の中でも生産量が多い。ウェハーに素子としての機能をもたせるために、微量の導電不純物を添加するのがドーピングである。

 具体的には、ヒ素やホウ素などの不純物をウェハー表面に注入して、N型P型の半導体領域を形成する。その方法には、拡散現象を利用するものや、イオン注入法などがある。

 前者は不純物を含む拡散したガス中にウェハーをさらし、エッチングした部分にドーピングするもの。

 イオン注入法は、不純物を含むガスをイオン化し、加速してウェハー表面に打ち込む。ドーピングガスには、リンを含むホスフィン、ヒ素を含むアルシンなどがある。

 回路パターンを露光現像したウェハーは、エッチング工程において、レジストマスクで保護されていない不要な部分を削り取る。酸化膜などを取り除くエッチングには、化学薬品を使うウェットエッチングと、ガスによるドライエッチングがある。

 ドライエッチングは、イオン化したアルゴンなどの不活性ガスの物理的なエネルギーを活用したり、プラズマ化した活性ガスの化学反応を利用する。サイズを小さくできることから、ドライエッチングが増えている。

 また、半導体製造装置の洗浄に使うガスにクリーニングガスがある。

 中でも、三フッ化窒素ガスは半導体の他、液晶ディスプレーやプラズマディスプレーの製造装置などの洗浄にも使われる。地球温暖化に負荷が少ないガスとして使用量が飛躍的に増大している。

 回路線幅の微細化にともなって、短波長の光源が求められており、その光源であるレーザーに発振用ガスが用いられるようになった。

 エキシマレーザー発振器には、フッ素ガスをベースにしたKrFやArFの混合ガスが活用されている。





【記事引用】 「日経産業新聞/2007年8月21日(火)/24面


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