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「ポストNAND」開発、熱帯びる 微細化の進展、あと数年で限界に

2011-02-28 | 半導体技術



 スマートフォンなどへの搭載で需要が急増しているNAND型フラッシュメモリー。

 今後も容量需要が年率で前年比5割増以上で推移すると見られるが、技術的には限界が迫る。回路線幅を細くする微細化で記憶容量を急ピッチに増やしてきたが、「微細化の進展はあと数年」との見方が強まっている。

 ポストNANDをにらみ、セルを縦方向に積み上げる3次元NANDや新型メモリーの開発が熱を帯びてきた。


●縦方向に積層

 NAND型フラッシュメモリーの回路線幅は現在、20nm台だが、3年後には10nm台半ばに突入すると予想される。

 ただ、微細化が進展しすぎるとメモリーが誤作動する可能性が高くなるため、「15nmが限界」(装置メーカー関係者)と指摘する声も少なくない。

 三重県四日市市で建設中の東芝のNAND型フラッシュメモリーの第5棟。1期工事が今春完成するが、すでに、東芝首脳の視線は先にある。

 2期工事完成後の2010年代半ばまでに量産に踏み切ると言われるのが、セルを平面でなく、縦に並べる「3次元NAND型フラッシュメモリー」。

 セルが大きくても縦方向に積むことで、小さいセルを平面に敷き詰めるのと同等以上の効果を得られる。旧世代の製造プロセス技術でも利用が可能でコスト競争力も高いという。

 東芝は、「BiCS」と呼ぶ3次元NAND型の技術を07年に開発。多層のセルを一度に形成できるのが特徴。

 韓国サムスンや同ハイニックス半導体も「BiCS」の考え方を元に、技術開発を急いでおり、いずれも13年前後に3次元NANDの量産に乗り出す方向。


●新型メモリー開発進む

 ポストNANDを巡る争いは3次元NANDだけにとどまらない。エルピーダメモリは抵抗変化式メモリー(ReRAM)開発をシャープなどと進める。

 消費電力が少ない上、NANDに比べて高速の書き込みが特徴。13年の実用化を目指す。

 スマートフォンやタブレット端末の爆発的な広がりが予想される中、記憶装置市場も拡大を続ける。3次元や新型メモリー技術を早期に確立できるかが、巨額投資を武器にする韓国勢を逆転するカギを握っているといえそう。





【記事引用】 「日刊工業新聞/2011年2月28日(月)/13面


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