高機能モジュールやモバイル機器では、部品内蔵基板の採用が本格化してきた。
スマートフォンやタブレットPCなどでは、ブルートゥース、W-LAN、GPS、ワンセグなど、様々なモジュールが搭載される。小型面積で高機能化を実現するのが狙い。
●本格的量産始まる
部品内蔵基板は、基板材料としてガラスエポキシ銅張積層板のFR-4グレードを使用するのが一般的。多層化にはビルドアップ工法を用いる。
プリント配線板製造プロセス上で、抵抗器やコンデンサ、インダクタなどの受動部品、さらにはWLP(ウエハーレベルパッケージ)やベアチップを基板に内蔵。
その上部全面に配線層が設けられ、ICチップやICパッケージ、または抵抗器やコンデンサなどの受動部品を3次元実装するもの。
すでに部品内蔵基板は、プリント配線板や電子部品メーカーが独自の工法で実用化し、一部では本格的な量産が始まっている。
様々な部品を内蔵するのではなく、薄く加工したICだけを内蔵するIC内蔵基板、銅コアを内蔵する構造で、モジュールとして剛性に優れ、ノイズへの耐性が向上している。
しかも高い熱伝導率を持つため、ICチップなどから発生する熱を効果的に放熱できる銅コア系部品内蔵基板などが代表的な技術。
こうした部品内蔵基板の小型、薄型化をサポートするのが、内蔵する部品の開発。最新としては積層セラミックコンデンサでは1005サイズで0.05mm厚コンデンサは0.1μF、0603サイズの0.05mm厚では0.01μFを実現。
チップ抵抗器も、0.15mm厚以下の0603サイズ及び1005サイズ品が登場した。
【記事引用】 「電波新聞/2012年7月2日(月)/5面」