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ニチコン、2012年度海外売上高比率60%目指す 海外市場の開拓に力点、成長軌道へ

2012-07-06 | 電子部品業界



 ニチコンは、13年3月期(12年度)海外売上高比率60%、700億円の海外売上高を目指す。

 主力製品のブロックタイプの大型アルミ電解コンデンサの成長市場である中国、インドのインフラ系産業用インバータ、コンパータのローカルメーカー向け販売を拡大。

 中国EMS向けのパソコン用導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや中国・台湾の中華圏に加え韓国、欧米のスマートフォン用需要が増大しているモールドタイプの薄型チップタンタルコンデンサ、デジタル家電用アルミ電解コンデンサを拡販する。


●海外市場開拓に力

 11年度53.9%だった連結海外売上高比率を12年度60%まで引き上げ、最終目標の70%のベースを確立する。

 塩崎正信執行役員営業本部長は「日本国内の民生機器市場が縮小する中で、新興国を中心に成長する海外市場の開拓に力点を置き成長軌道に乗せていく」と話す。

 また、「特に、競争の激しいローカルメーカー向けの販売を伸ばしていくことが成長のキーになる。電気自動車用充電・給電器や、家庭用蓄電システムの国内販売が7月に立ち上がり、下期から一気に売上げが増え、海外売上げ比率を上げるのは大変だが、全社一丸となって海外販売を伸ばしていく」と言う。

 中国市場は11年4月に成都、同年5月に重慶に営業拠点を開設。インド市場に対しては、12年4月にはバンガロールに販売会社を設立し、ローカルメーカー向け販売サービス活動を強化。

 中でも同社が得意とするインフラ系産業用インパータ、コンバータ向け大型アルミ電解コンデンサの拡販に力を入れている。

 また、地産地面の現地生産供給体制を強化するため、中国の江蘇省宿遷市に導電性高分子アルミ固体電解コンデンサンの新工場を4月に稼働させた。

 蘇州工場と合わせてリード線タイプ導電性高分子アルミ固体電解コンデンサの月産能力を2億個まで増やし、増大する中のの国内需要に対応する体制を整えた。


●需要増に対応

 ブロックタイプの大型アルミ電解コンデンサは、中国・無錫工場での生産を増強。宿遷の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ工場棟横にブロックタイプの大型アルミ電解コンデンサ工場棟も需要を見ながら建設準備を進めている。

 モールドタイプの薄型チップタンタルコンデンサも中国・天津工場で月産能力1億個体制を敷き、12年度のスマートフォン用の需要増に十分対応できる供給能力を備えた。

 拡大する中国の産業用、車載用の市場向けの生産体制の準備も始めている。




【記事引用】 「電波新聞/2012年7月6日(金)/1面」


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