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京セラ、ベトナム工場を13年8月に稼動 SMD用セラミックパッケージ、グローバルで10%増産

2012-07-03 | 電子部品業界



 京セラは、ベトナム・フンイエン省タンロンⅡ工業団地に建設中の電子部品工場「京セラベトナム」を13年8月に稼動させる。

 スマートフォン、デジタルスチルカメラの生産増に伴って需要が増大している水晶デバイス用、SAWデバイス用のSMD用セラミックパッケージから生産を開始する。


●増産分を新工場で生産

 ベトナム工場の稼動と日本の川内工場の増強、中国・上海工場の一部増強によりSMD用セラミックパッケージのグローバル生産能力を14年3月期に13年3月期比10%増やす。

 15年3月期には、SMD用セラミックパッケージのグローバル生産数量の10%強をベトナム工場で生産する計画。

 久芳徹央社長は「先を見て工場用地を買い、工場を建てている。日本から脱出して海外で生産することは考えていない。ベトナムの電子部品工場もそうした考えによるものだ。まず、川内工場と上海工場でフル生産しているSMD用セラミックパッケージの増産分をベトナムの新工場で生産する」と話す

 タブレットPCや、ウルトラブックPC向けに需要が急増しているCMOS、CCDのイメージセンサー用セラミックパッケージも続いて生産する模様

 高速通路などの産業用照明用途や、自動車のヘッドランプ用途で需要が拡大しているLED用セラミックパッケージも早い時期に生産に加えるものと思われる。

 山口悟郎取締役執行役員常務半導体部品事業本部長は、「セラミックパッケージは1-3月を底に4月から受注が増え始めている。4-6月のセラミックパッケージ受注高は1-3月比15-20%増だった。」と話す。

 また、「前年4-6月の受注高までは戻っていないが、9月までは右肩上がりが続くとみている。7―9月の受注高は4-6月よりさらに15%ぐらい上がりそうだ」と、セラミックパッケージの好調な足元の受注状況を説明する。


●電子部品の需要増に対応

 ベトナムの電子部品工場は、デジタル機器の高機能化、多機能化に伴って増大している電子部品の需要に対応するため、モノ作りで国際競争力のあるベトナムに電子部品工場の建設を決め、4月に着工した。

 タンロンⅡ工業団地に20万平方mの工場用地を取得.第1期工事として延べ3万5千平方mの3階建て電子部品工場を建設する。日本、上海に続く第3の電子部品一大生産拠点にする計画。

 投資額は、京セラドキュメントソリューションズがベトナムに建設中の第1期工事分を合わせて約100億円を予定。

 グローバルシェア70-80%のセラミックパッケージをはじめ、プローブカードなどを担当している同社半導体部品関連事業は13年3月期は前年比17.3%増の1800億円、税引前当期純利益向17.5%増の326億円を見込む。

 特に、13年3月期は通期売上高で全社同様、過去最高を予想。

 ベトナムには、機器事業を担当する京セラドキュメントソリューションズがハイフォン市のVSIPハイフォン工業団地に20万平方mの工場用地を取得。

 大型進出第1号企業として投資許可を得て、第1期工事(延べ床面積7万2千平方mの2階建て工場棟)として京セラドキュメント・テクノロジ・ベトナムを11年11月に着工。

 12年10月に稼働させ、カラー、モノクロのプリンタ、復合機および、パーツ、滴雑品の生産を開始する。





【記事引用】 「電波新聞/2012年7月3日(火)/1面」


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