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球状シリカで金属粒導入防止 集積度向上対応の開発進む

2007-10-15 | 半導体技術


 前工程で回路を形成したウェハーは、後工程のダイシング工程によって一つのチップとして切り離される。

 次に、チップをリードフレームという枠に載せるマウント作業を行う。さらに、チップ内部とICの外部ピンを接続するためのワイヤボンディングを経て、保護用のパッケージに密封し、製品となる。

 密封には主成分がフェノールやエポキシなどの熱硬化性樹脂が使われ、樹脂への引火を防ぐ難燃剤、熱膨張を抑えるためのフィラーなどを混ぜて封止剤にする。

 環境への配慮から、ハロゲン系に代わりハロゲンフリーの難燃剤や、難燃剤を使わない封止材が開発されている。

 半導体の集積度向上によってワイヤ配線の密度が高まり、間隔が50μm程度になっているため、チップを破損や湿度から守る封止材に導電性の異物が混ざった場合、配線をまたいだショートを引き起こすリスクが拡大している。

 あるメーカーは、半導体封止用樹脂フィラー用途に使う球状シリカで、金属粒の導入防止を強化した。球状シリカは、破砕したケイ石を高温で融解し、表面張力により直径数~数十μmの球状にする。

 破砕工程や異なる大きさのシリカを混ぜる配合工程などで、鉄などの粒を吸着する強力な磁石を増設した。

 また、各工程でシリカに触れる設備の内面などの素材を金属からセラミックスや樹脂、磨耗しにくい超硬金などに替えることで、金属粒の混入そのものを減らしている。





【記事引用】 「電波新聞/2007年8月21日(火)/24面


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