半導体業界が転機を迎えている。製品の垣根が崩れ、日本勢を巻き込んで業界再編の歯車が再び回り始めた。生き残りへ向けて、従来のビジネスモデルを転換する動きも加速している。
新たな成長戦略を模索する半導体メーカーの動きを追った。
●TSMCの軍門に
1月12日、富士通マイクロエレクトロニクスの技術者十数人が台湾に向かった。
訪問先は受託生産会社(ファウンドリー)世界最大手TSMC . . . 本文を読む
「韓国サムスン電子より安く生産できるようにしろ」。
1月半ば、東京芝浦の東芝本社。佐々木則夫社長が半導体部門に指示した。リーマン・ショックによる半導体需要の冷え込みで、1年前に凍結した三重県四日市市の工場新設計画。
8000億円の投資案件が動き出した瞬間だ。2011年春の稼働を目指す。
●新たな連携模索
背中を押したのは米アップル。3月末に発売する新端末「iPad(アイパッ . . . 本文を読む
メモリー半導体大手の米マイクロン・テクノロジーは9日、スイスに本拠を置くニューモニクスを約12億7千万ドルで買収すると発表した。
これによりマイクロンは、DRAM、NAND型およびNOR型フラッシュメモリーなど多彩なポートフォリオで、世界のメモリー市場での地位強化を図るとしている。
●世界第4位に
マイクロンは、主にコンピュータやモバイル機器向けにDRAM及びNAND型フラッシ . . . 本文を読む
半導体需要が世界的に回復している。中国など新興国向けに薄型テレビなどデジタル製品の販売が急増。
パソコン出荷も、好調で搭載するメモリーの供給が需要に追いつかない。価格上昇と出荷増で東芝や富士通などの収益は大幅に改善。海外勢も業績が回復している。
新興国を先導役に世界景気が回復に向かう中、当面は半導体産業の好況が続くとの見方が多い。
●利益急回復
「フラッシュメモリーの価格が . . . 本文を読む
電子情報技術産業協会(JEITA)が29日発表した2009年11月の日本メーカーによる電子部品の世界出荷額は、前年同月比10%増の3039億円だった。
07年12月以来、23カ月ぶりに前年比でプラスに転じた。景気刺激策で、新興国向けのデジタル機器を中心に需要の回復が続いている。
●景気刺激策の波及効果
09年11月は全13品目のうち、11品目で前年同期の実績を上回った。
中 . . . 本文を読む