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ネナシカズラ

 長池公園築池の畔で見られる「ネナシカズラ(根無し蔓)」。ヒルガオ科ネナシカズラ属の一年草で、夏に花を咲かせ秋に果実を稔らせる。果実は長さ5ミリほどで、上部のヘルメット状の蓋が取れて、中の種子が散布される。果実の上部には枯れた花冠が残っているものも見られる。ネナシカズラの種子は普通に土の中から発芽するが、やがて寄生する植物を見つけると蔓で絡みついて寄生根を出しそこから栄養分を吸収する。そうなるといつの間にか土から伸びていた茎が枯れて無くなり “根無し” となって完全に寄生する。もちろん葉っぱも無い。
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アカマツ・2~種子

 柳沢の池公園の丘に生えている「アカマツ(赤松)」。マツ科マツ属の常緑高木で、写真は松かさの中にある種子を取り出したもの。種子は長さ1.5センチほどの翼の先端にあり長さ3ミリほどの楕円形。種子が取れたあとの翼も見える。
 さてアカマツなどマツ類は春に雌花で受粉した後に、ゆっくりと卵と精核が形成され胚珠が受精完了するのは翌年の夏になる。つまり松ぼっくりが出来て種子を散布するのは、受粉した翌年の秋で、およそ1年半ほど掛かっている。
 マツやスギなどは昆虫を利用して花粉を運ぶ方法を知らず、風で飛んでくる花粉をキャッチするために胚珠がむき出しになっている。これを裸子植物と呼び、胚珠が子房に包まれている被子植物と区別している。植物の進化ではまず裸子植物が現れたが、被子植物は、それまで無防備だった胚珠を包むことにより、子房の中で安全に胚を受精出来る状態でスタンバイさせておくことができるようになり、受精までの時間を大幅に短縮した。花粉が雌蕊に付いてから早いものでは数時間で受精が完了するものもあり、種子を作るスピードが飛躍的に早くなり、世代更新が進み、ますます進化していったわけだ。
 ところで大きく育つ “木” と、道端の雑草のような “草” とでは、進化の過程でどちらがより進化をした形なのだろうか。幹を作り、枝葉を繁らせる木のほうが、より複雑な構造に進化しているようにも思えるが、実はより進化をしているのは草のほうだそうだ。木本性の植物は何十年も何百年も生きることができるが、草本性の植物の寿命は1年であり、長くてもせいぜい数年である。より進化したのに短い寿命を選択したのは、様々な環境の変化に対して、次々に世代を更新させて、上手く対応できるようしているためである。
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