犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

博友社ロシア語辞典

2020-11-15 23:47:55 | 辞書の話
 帰省した折、家にあったロシア語辞典を持ち帰りました。

博友社ロシア語辞典1975年版

 今から45年前に発行された古い辞書。私が最初にロシア語を学んだ1979年に買ったものです。

 編者は、木村彰一、栗原成郎、佐藤純一、中村喜和、松井茂雄、森安達也の6人。

 私は大学で第3外国語としてロシア語の授業をとりました。そのときの先生が、この中の一人、中村喜和先生でした。

 授業は6か月。週一回の授業で、文法が最後まで終わりませんでしたが、単位は取得しました。

 次の学期、中村先生の授業は、別の授業とぶつかって受講できず、別の先生の授業をとることに。それが森安達也先生でした。こちらのほうは、3か月ほどで授業に出なくなり、単位はとれませんでした。

 当時は気づきませんでしたが、どちらの先生も、博友社ロシア語辞典の編者だったのですね。

 調べてみると、中村先生は今もご存命、森安先生は1994年に54歳という若さで他界されていました。

 あらためて「はしがき」を読んでみると、この辞書の特徴は以下の通り。

・初学者の中辞典として編集したが、発音と活用に関しては、高度の学習者の利用にもたえうる。

・語彙は、現代語を中心に5万語。古語、俗語、専門語を除けば、現代ロシア語文献読解に充分。

・現代ロシア語の基本語彙5400語に*印をつけ、例句、例文、語法上の注意を詳しくつけた。

・動詞その他の格支配を「てにをは」によって克明に表示した。

・文法の知識が充分でない初学者のために、変化形約5500を見出しに立てた。

 もともと、木村氏と松井氏が小型辞書として1959年に構想し、途中で他の編者が参加して、中辞典を目指すことに変更。71年に脱稿、2年以上の校正を経て、75年に刊行されたとのことです。

 私が授業で使っていた、入門用の教科書には、基本的に、初出の単語の意味はすべて書かれていましたので、あまり辞書を引く必要はありませんでした。
また、ロシア文字と、辞書における掲載順に慣れないと、単語を探し当てるのにとても時間がかかり、辞書をひくのが億劫です。

 ですので、せっかく買ったこの辞書のお世話になることはあまりありませんでした。

 はしがきでは、「現代」が強調されていますが、今となっては半世紀前ですから、古さは否めない。その間、国際情勢は激変し、当時のソビエト連邦は崩壊。言葉もかなり変わったはずです。

 1995年には改訂新版が出て、「新生ロシア」に対応するとともに、巻末に8600語の和露索引がついたとのこと。

 今回の学習再開に際し、改訂新版の購入も検討しましたが、「新版」とはいっても、すでに四半世紀が経過していること、値段が高いこと(6,408円)、辞書を活用する段階まで学習を継続できるか不透明なことなどから、購入は見送りました。

 ただ、初版本でも、発音記号がすべてについている(ロシア語では特にアクセントの位置によって発音が変わるので、これは重要な情報です)、例文が豊富、活用形でひける、巻末に変化表が載っている、など、初学者にありがたい配慮がたくさんあるので、当分は、この旧版と、新たに購入した小学館プログレッシブで学習を進めていこうと思っています。
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