焼き肉チェーン店でユッケが原因の集団食中毒事件が起こり4人の死者が出ました。
ユッケは韓国料理。ハングルで육회と書きます。ユク+フェ=ユッケ。ユクは肉という漢字の韓国語読み。フェも漢字で「膾」。膾(なます)は、日本語では「生の魚や野菜を細かく切って酢にひたした食品」(三国)。韓国語では「刺身」のことです。
つまりユッケは「肉の刺身」。
とは言っても、まったくの生でそのまま食べるわけではなく、ごま油とヤンニョム(調味用たれ)に和えて、生卵の黄身を乗せ、ぐじゃぐじゃと掻き回して食します。
食中毒の原因となった病原菌はO111。牛の腸内にいる菌(大腸菌)だそうです。
腸を切った包丁を洗わずにユッケ用の生肉を切ったんじゃないかと推定されています。今のところ韓国の新聞ではベタ記事扱いですね。韓国ではO111の食中毒はほとんどないらしい。
日本よりもユッケを大量に消費しているはずの韓国で、なぜ食中毒が少ないのか。理由を考えてみました。
①韓国の衛生管理がすばらしい。
②韓国人はすでにO111に対する免疫をもっている。
③日常的に食中毒が起こっている。珍しくないのでニュースにならない。
①は、私の体験からしてありそうもない。
韓国にO111汚染肉が存在することは、かつて日本人高校生が修学旅行で訪れた韓国で、集団食中毒になったことからもわかります。
2004年の7月、金沢市の高校で韓国への修学旅行時、参加した生徒・教職員102人に、O111の集団感染が発生しました。このときはユッケではなく「生焼けの焼き肉」が原因。同じ牛肉を食べた韓国人もいたと思われますが、韓国で集団食中毒のニュースはなかったようです。
となると、②の可能性が考えられます。③は、私が11年間いた間、まったく耳にしなかったので可能性は低い。
ただ、私の印象では、ユッケは韓国ではそれほどポピュラーではない。焼き肉屋さんにいけば必ずメニューにありますが、注文する人はあまりいないようです。私は好きなのでよく注文するのですが、一緒に行った韓国人は手をつけない人が多い。食べない人はまったく食べず、特定の人だけがよく食べる。そしてよく食べる人は大腸菌に対する免疫を持っている…。
なお、ウィキペディア情報によれば
「韓国ではニンニクとゴマ油を混ぜて冷蔵庫で数時間熟成、殺菌してから出すのが一般的」
とありますので、ニンニク+冷蔵による殺菌作用で大腸菌が死滅し、安全なのかもしれません。
ま、日本でも問題になったチェーン店以外では食中毒は発生していないので、「えびす」の衛生管理があまりにも杜撰だったというだけのことかもしれません。
参考に、ユッケと紛らわしい食べ物にユッケジャンがあります。
こちらはハングルで육개장と書くことからわかるように、ユッケ육회とは別物です。裂いて細くした牛肉を煮込んだ真っ赤っかの激辛スープです。
ユッケジャンのケは犬のケ개と同じです。一説ではもともと犬肉で作るのが本来のユッケジャンだとのことです。
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いに卵を生で食べる国ってあるんでしょうか?
ユッケの上に乗っている生の黄身も例外的で、普通は生卵は食べないようですね。
タイや中国でも生では食べないと聞きました。
ま,世界は広いから探せばあるのかもしれません。