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犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

心の水

2010-12-05 23:55:06 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 金曜日の早朝,首都圏は珍しく大雨に見舞われました。

 ちょうど妻が帰郷していたため,娘たちを車で駅まで送っていく役割を私が果たすことになりました。

 いちばん早く家を出るのは早朝パン屋でアルバイトをしている長女で,朝5時半。続いて幼稚園の先生の次女が6時15分,高校生の4女が6時40分。

 そして私と大学生の3女は,傘をさして7時15分に家を出ました。幸い,このころになって雨が小降りになっていた。

 家から駅までは徒歩12分ほど。途中,50メートルぐらいの橋を渡ります。わりに広い道路で両側に歩道もある。そのため車もかなりのスピードで突っ込んできます。そして車道は,タイヤが接地する部分が轍のようにへこんでおり,雨のときはそこに水が溜まる。

 心ないドライバーは,歩道に歩行者の姿を見かけてもスピードを落とすことなく通りすぎる。必然的に轍にたまった水は激しくはねあげられ,歩行者は全身に汚い水を浴びるという事態になります。

 この日の朝,私は家と駅の間を三往復したのですが,私は「心ある」ドライバーですので,歩行者の脇を通りすぎるときは速度を落とし,かつタイヤが轍に入らないように注意します。

 ところが,私たちが橋をわたっていたとき,私より数歩遅れて歩いていた三女が悲鳴をあげました。「心ない」運転手の犠牲になったのですね。

「もー,最悪!」

 タイ語に「ナムチャイ」という言葉があります。ナムは水,チャイは心。直訳すれば「心の水」です。で,意味は「思いやり」。

 暑いタイでは,お客さんが来たとき,冷たい水を出すのがいちばんのもてなしだということを,タイ語の学習書のコラムで読みました。道行く人のために道路に用意されている水が,「ナムチャイ」の語源だそうです。

 雨の道を歩くドライバーに,この「ナムチャイ」をもってもらいたいものです。

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2 コメント

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ナム (某延世大留学生)
2010-12-10 22:53:28
ナムは、私の知っている、片手に収まるほどしかない語彙のうちのひとつです。メナム川のナム、汁そばの○○ナム…。

100万アクセス突破、おめでとうございます。
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他人 (犬鍋)
2010-12-12 18:11:35
メナムは「川」の普通名詞(水の母)ですね。

日本でいうメナム川は,タイではチャオプラヤー川と呼ばれます。

バミーナム(汁そば)もいいけれど,バミーヘン(汁無しそば)もなかなかいけます。

肉入りサラダを「ナムトク」(落ちる水=滝)というのが,いまだに謎。
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