net news 神鋼、日産…不祥事に歯止めがかからない 再発防止策を徹底直後に不正露見 「係長と課長のコミュニケーションギャップ」?(産経新聞2017/10/27)~神戸製鋼所、日産は、株主とユーザーを裏切った。
神戸製鋼所や日産自動車など日本を代表する製造業の不祥事に歯止めがかからない。両社には品質に対する意識の低下と、企業統治が有効に機能していない点で共通しており、不正の闇は深い。現場の力が評価されてきた日本の製造業全体への信頼を揺るがしかねない異常事態だ。
「再発を防いで生産を再開し、信頼を取り戻す。思い切った手を打つ」。日産の西川広人社長は19日の会見でこう述べた。
だが、額面通りに受け取るのは難しい。西川社長は新車の無資格検査問題発覚を受け、2日の会見で「資格のある検査員が行う態勢に百パーセントなっている」と説明していた。舌の根が乾かないうちに、再び問題が露見した格好だ。
再発防止策を徹底した直後に新たな不正が露見する構図は神戸製鋼も同じだ。同社は昨年、グループ会社が日本工業規格(JIS)違反の不祥事を起こしたばかり。だが、今度はアルミなどの多くの製品でデータの改竄(かいざん)が発覚した。
ものづくりの現場にルール違反が当たり前のこととして根付いている実態は、組織全体のモラルの低下を浮き彫りにしている。
日産は正規の検査員が無資格の従業員にはんこを貸す手口で、国の規定に反して新車の最終検査をしていた。西川社長は「現場責任者である係長と課長とのコミュニケーションギャップが背景にある」と説明するが、違反を認識しながら組織ぐるみで不正に手を染めていた疑いもある。