
“大学生にしては随分と渋いオヤジ車だなあ”とみんなにもからかわれたが(当時流行っていた日産「フェアレディーZ」、ホンダ「プレリュード」、トヨタ「スープラ」などと比べると確かに渋い車である)、その当時ウィンダムは米国で「Lexus ES300」として売り出しており、言わばアメリカ市場向け戦略車の逆輸入的な車だったことが新鮮だった。トヨタの高級セダンであった「セルシオ」の弟分としての高性能に、アメリカンテイストが加わったプレミアムカーとしてのユニークな位置付けに興味をそそられたものだ。BBS製のアルミホイールに代えたり、米国出張時にわざわざLexus ES 300のエンブレムを購入してきて、Windomのエンブレムと取り替えたりして、軽くオリジナリティーを加えて当時楽しんだものだ。今でも一番思い出深い1台だ。Lexus ES 300は依然として米国で販売されるが、残念ながら日本でWindomとしては昨年の3代目、2006年1月で国内販売を終了した。それにしてもWindomが産まれるきっかけとなったLexusが日本に逆上陸を果たした今、Windomブランドが終了してしまうというのは感無量である。
1998年に米国転勤となったのをきっかけに、BMW Z3とJeep Cherokeeを米国で購入した(写真)。共に色はブラックを選択したので、サンダーバード1号と2号みたいにガレージに納まっていたものだ。BMWは実家で318iのセダンを購入していたが、それを乗り回すうちにすっかりその”究極のドライビングマシーン”たる動力性能と感度の良さにはまっていた。アメリカ西海岸で購入したBMW Z3は2シーターのオープンスメ[ツで、4気筒1800ccだったのでパワーは大して無い車だったが、そのレスャ塔Xと小回りの良さは実に気持ち良かった。それにZ3はBMWとしては最も価格的に安い車だったが、そのくせトップを開けて街を走っているとかなりのインパクトが有り、何とも言えない”お得感”が有る車だったのだ。それにオープンスメ[ツの開放感はなかなか体感してみないとわかりにくいと思うが、雨があまり降らない西海岸での生活には最高の1台となった。日本だと車は1家に1台が多いだろうが、西海岸だと車は通勤の足なので、一家に2台(自分の通勤用と妻の生活用にそれぞれ1台ずつ)は必要だった。この状況もZ3みたいな遊び車を買うには好都合であった。荷物を運んだり、大勢で出鰍ッる時はJeep Cherokeeを使い、ドライブを楽しみたい時はZ3をという使い分けが初めて実現したのだ。


その後2002年に日本に帰国してからもBMWの魔力からは抜けられず、今度はシルバーの318i Touring M-Sport仕様のワゴンを購入(写真)。1台しか車を持てない日本で、これは言わば実用性と”fun to drive”を兼ね備えた最高の1台となった。Z3に比べ遥かに加速や動力性能は向上し、完成度とバランスの高さに適度なマッスル感も加わった傑作であり、総合的に見て今まで購入した車の中では間違いなくベスト1である。

2005年の9月に、2回目の米国駐在として今後はNYに赴任したが、こちらNYで購入したのがBMW X5(写真)。今回は今までに購入したことの無いホワイトカラーを選んだ。2004年製の認定中古車を購入したが、4.4Lのガソリンを食べまくるドデカエンジンから来るパワー/加速力はさすがだし、車内の質感もさすが5シリーズクラスだが、日本で乗っていた318i Touring M-Sportに比べると、やや加速が荒削りで完成度は低い印象だ。最近のX5はこんなことは無いと思うが。

日本に帰国したら、今度は何を購入しようかと既に悩んでいるが、ここまで来ると、やはりBMWからは当分浮気出来そうにも無い気配である。